英再エネ大手が投資ファンド設立、第1弾の投資も発表

(英国)

ロンドン発

2022年09月14日

英国の再生可能エネルギー供給大手のオクトパスエナジー外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます824日、22,000万ユーロ規模の投資ファンド「オクトパスエナジー・ディベロップメント・パートナーシップ(OEDP)」の立ち上げを発表した。英国を含めた欧州の太陽光、陸上風力、エネルギー貯蔵のプロジェクトに投資する予定。

同社はプラットフォーム「クラーケンフレックス(KrakenFlex外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を通じて、分散型エネルギー資源(DER、注)を管理・最適化できるとしている。同プラットフォームでは現在、1,300メガワット(MW)のグリーンエネルギー資産を管理している。

ロシアによるウクライナ侵攻に伴うエネルギー危機に際し、欧州のガス輸入依存度の低減と将来のエネルギー料金の負担軽減のため、OEDPではグリーンエネルギー設備の新規構築の初期段階への投資に重点を置くとしている。OEDPを管理する、オクトパスエナジーのグループ会社であるオクトパスエナジー・ジェネレーションは、44億ポンド(約7,348億円、1ポンド=約167円)の資産を有し、欧州でも最大級の再エネ関連投資家だ。

OEDPの最初の投資先も発表

すでに最初の投資先も発表している。OEDPは、大規模な太陽光および蓄電池設備事業に取り組む英国エクサジェン(Exagen)に対し3,500万ポンドを投じ、同社の株式の24%を取得する予定。また、エクサジェンがイングランドで開発中の太陽光発電施設の3カ所(合計発電容量400MW)も取得した。さらに、現在ミッドランドで開発中の、英国最大級の蓄電容量1ギガワット時の蓄電池施設を購入する権利も取得する。

オクトパスエナジー・ジェネレーションの共同責任者のアレックス・ブリアリー氏は「エクサジェンと協力することで、太陽光発電や蓄電池プロジェクトを拡大する大きな機会が得られる。これらは、将来の柔軟な再エネシステムにおいて絶対に不可欠な役割を果たすだろう」と述べた。

また、英国内におけるそのほかの再生可能エネルギー投資の動きとしては、英国投資・資産管理企業のロー・カーボン外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます97日、中・東欧で活動する再エネ発電事業者のレゾルブ(Rezolv)と協力し、ルーマニアで陸上風力発電所を建設することを発表した。また、安価な再エネ発電を掲げる英国テッセラクト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますTesseract)は同日、複数の投資家から7,800万ドルを資金調達したと発表した。

(注)資源エネルギー庁によると、「地域に存在する再生可能エネルギーや蓄電池など」。分散型エネルギーとは、「比較的小規模で、かつさまざまな地域に分散しているエネルギーの総称」。

(エルカザーニ・小百合・アミナ)

(英国)

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