統一地方選、与党「統一ロシア」が勝利
(ロシア)
欧州ロシアCIS課
2022年09月20日
ロシアで9月11日、統一地方選挙が行われた。14の連邦構成体首長の直接選挙では、全て現職の首長、もしくは前首長が任期途中で辞任し、ウラジーミル・プーチン大統領により任命された首長臨時代行の候補者が当選した。14人のうち12人は与党「統一ロシア」所属の候補者だった(添付資料表参照)。
自己推薦で立候補した2人のうち、マリ・エル共和国のユーリー・ザイツェフ首長臨時代行は、統一ロシアに関係する組織から選挙資金の提供を受けていた(「コメルサント」ボルガ・ウラル版8月24日)。ヤロスラブリ州のミハイル・エブラエフ知事臨時代行は、過去に野党「ヤブロコ」に所属したことがあるが、2012年以降、プーチン政権下で地域発展省、通信マスコミ省、連邦反独占局の幹部を務めた経験を持つ。
このほか、アディゲア共和国では共和国議会の投票により、統一ロシア所属で現職のムラト・クムピロフ首長が選出された。
北オセチア共和国・アラニア、ウドムルト共和国、クラスノダル地方、ペンザ州、サラトフ州、サハリン州の6連邦構成体で、議会選挙も行われた。サハリン州以外の5連邦構成体では、統一ロシアが過半数の票を獲得した。共産党の支持が比較的大きいロシア極東のサハリン州では、統一ロシアの得票率が47.20%にとどまり、共産党が14.25%を獲得した。しかし、2017年の前回選挙での得票率と比べると、統一ロシアは2.56ポイント増、共産党は2.25ポイント減と統一ロシアが票を伸ばした。
選挙結果について、政治学者のロチスラフ・トゥロフスキー氏は、連邦構成体首長選当選者の得票率ほど統一ロシアが支持を集めているわけではないが、支持率で野党との差を広げたと分析した(「コメルサント」紙9月11日)。
中央選挙管理委員会のエラ・パンフィロワ委員長は、今回の選挙の平均投票率は35%と発表した(タス通信9月15日)。2020年に行われた統一地方選の平均投票率と比べると8ポイント低く、低調な結果だった。
(浅元薫哉)
(ロシア)
ビジネス短信 4cdbcf792403875b