新型コロナ緊急事態宣言を9月末まで延長、学校での生徒のマスク着用は任意に

(ペルー)

リマ発

2022年09月02日

ペルー首相府(PCM)は828日、同日に期限を迎える新型コロナウイルスによる緊急事態宣言を829日から930日まで延長する大統領令第108-2022-PCM外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公布した。今回の大統領令は、保健省(MINSA)傘下の国立疫病対策センター(CDC-PERÚ)からの延長勧告に基づいており、期限延長以外にも、教育機関における生徒のマスク着用を「義務」から「任意」に変更している(注1)。

教育機関以外でのマスク着用規定は原則、屋内においては、微粒子用マスクのN95タイプまたは同中国規格のKN95タイプであれば1枚、それ以外は二重マスク(そのうち1枚は不織布マスク可能)の着用を求めている(レストランにおいても飲食時以外は着用義務あり)。屋外について着用は任意としているが、主に継続的な咳(せき)など呼吸器系の症状を有する場合は屋内同様の規定が適用される。

さらに同大統領令では、あらためて国内外での移動における関連規定を明示化しており、水際対策としては、全ての12歳以上の入国者(注2)は3回のワクチン接種証明書が求められる。なお、接種回数が3回に満たない場合は、搭乗48時間以内のPCR検査による陰性証明書の提出が求められる(11歳以下は無症状であれば搭乗、入国可能)。また、国内の公共交通機関(陸路・空路)による移動についても、12歳以上の乗客については同様に3回のワクチン接種証明またはPCR検査陰性証明書の提示が義務化されている。

MINSAによると、827日時点の国内累計感染者数は4099,785人、累計死数は215,639人に上っている。直近の2022年第33週(8月第3週)における全国の感染者数は前週比38.6%減の34,683人と第30週(7月第5週)以降の減少が続いている。また、変異株別では、626日の第4波到来宣言後の採取済み検体のほぼ全てがオミクロン株に属しており、その大半がBA4またはBA5型となっている。一方で、全国の人工呼吸器付きICU(集中治療室)病床の占有率は現在3割程度で、約500床の空きがある。

829日時点のワクチン接種率については、1回目が90.9%、2回目が85.7%、3回目が71.2%、4回目が23.6%となっている。メーカー別では、ファイザーが44.1%、シノファーム28.5%、アストラゼネカが11.9%、小児用ファイザーが10.5%、モデルナが5.0%を占めている。

またMINSAでは、EU諸国への渡航時に求められる「グリーンパス」の発行を822日からMINSA専用アプリケーションで開始した。

(注1)ただし、生徒以外の教員、助手や事務職員関係者による着用義務は継続。

(注2)外国籍含む居住者を対象としており、接種場所は国外でも登録可能。非居住者は自国のワクチン接種規定に基づく証明書を提出。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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