カナダ政府、クリーンな事業活動へ移行する企業を評価・支援する「ネットゼロチャレンジ」立ち上げ

(カナダ)

米州課

2022年09月01日

カナダのスティーブン・ギルボ環境・気候変動相は826日、カナダで事業を行う企業のための全国的な温室効果ガスGHG排出削減促進に向けた連邦レベルの新しい取り組み「ネットゼロチャレンジ」の立ち上げを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同プログラムへの参加組織の1つカナダセメント協会の所属企業ラファージュ(本社:フランス)のケベック州セント・コンスタントの工場で行われたイベント内で発表した。

このプログラムに参加する企業は、2050年までに自社施設とその運営をGHGネットゼロ排出へ移行する計画を策定した上で実施をコミットする。参加後も年次進捗レポートの提出や、5年ごとの計画書の更新などが求められる。ネットゼロ計画への意欲と実行力によって「ブロンズ」から「ダイヤモンド」まで5段階の参加レベルが付与される。

参加企業にとっては、技術的なガイダンスを受けられるほか、同業者のコミュニティーに参加する機会や自社の取り組みをアピールできる機会といったことが利点とされている。

同プログラムは、国連気候変動枠組み条約事務局(UNFCCC)の「レース・トゥ・ゼロ(Race To Zero)」をはじめとする国際的なキャンペーンや枠組みとも提携することを意図している。

ギルボ環境・気候変動相は「ネットゼロチャレンジは、規模の大小を問わず、ビジネスのよりクリーンな方法への移行に挑戦することを目的としており、その取り組みをサポートするツールと評価の両方を提供する。また、このチャレンジは、企業が高い基準を満たしていることを確認できるよう、綿密な報告を要件とすることで支えられてゆく」と述べ、企業が積極的に参加に関心を持つよう働きかけてゆくとした。

カナダで活動している企業や組織はいつでもネットゼロチャレンジに参加することが可能(詳細は「ネットゼロチャレンジ」のウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照)で、今回の創設時からの参加企業の12社・団体(下記参照)には外資系企業も少なからず含まれている。

  • アビバ カナダ(Aviva Canada
  • BASF カナダ(BASF Canada
  • カナダセメント協会(所属企業:ラファージュのカナダ法人ほか)
  • カナディアン・ナショナル・レールウエー(Canadian National Railway
  • エドモントン地方空港局(Edmonton Regional Airports Authority
  • 米ゼネラルモーターズ(GM)のカナダ法人(General Motors of Canada Company
  • グレーター・トロント空港局(Greater Toronto Airports Authority
  • ロブロー・カンパニーズ(Loblaw Companies Limited
  • オタワ国際空港局(Ottawa International Airport Authority
  • シェル・カナダ(Shell Canada Limited
  • バンクーバー空港局(Vancouver Airport Authority
  • ウッドファイバー LNGWoodfibre LNG Limited

(高山さわ)

(カナダ)

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