イランが上海協力機構加盟覚書に署名
(イラン、中国、ロシア、トルコ)
テヘラン発
2022年09月20日
ウズベキスタン・サマルカンドでの上海協力機構(SCO)の第22回首脳会議に先立つ9月14日、イランのホセイン・アミール・アブドゥラヒヤーン外相はSCO加盟に関する覚書に署名した。同外相は署名後、加盟手続きに関連する全ての文書はイランの閣僚によって既に承認されており、法的手続きのために議会に送られていると述べた〔9月15日付イスラーム共和国通信(IRNA)〕。
イランは2021年9月、タジキスタンの首都ドゥシャンベで開催された第21回SCO首脳会議で正式加盟が承認された(2021年9月21日記事参照)。SCO加盟について、イブラーヒーム・ライーシー大統領はSCO加盟国を含む地域諸国と最大限の相互作用と関係を持つことを強調し、地域・国際秩序における効果的なプレゼンスがイランの外交政策の焦点と述べた。
イラン外務省のメヘディ・サファリ経済外交担当次官は、イランにとってSCO加盟国がエネルギーに限らず、技術やエンジニアリングサービス、消費財の新しい市場となると述べた。加えて、加盟国のうち特に中央アジア諸国はイランを通じて国際水域へのアクセスが可能になり、国外への輸送が容易になると指摘した。今後の手続きについては、2023年にインドで開催される第23回SCO首脳会議で各国首脳がイラン加盟にかかる協定に署名し、イランの加盟プロセスが完了すると述べた(9月18日付IRNA)。
第22回SCO首脳会議は9月15、16日の2日間にわたり開催され、ウズベキスタンのシャフカト・ミルジヨエフ大統領主催で、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領や中国の習金平国家主席、トルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領らが参加した。IRNAは17日、同会議は最終声明で、イラン核合意「包括的共同行動計画(JCPOA))」の全ての当事者に対し、同合意の義務に完全かつ効果的にコミットし続けるよう求めたと報じている(9月17日付IRNA)。
(鈴木隆之)
(イラン、中国、ロシア、トルコ)
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