米メキシコ湾のシェル、シェブロン、エクイノールの石油生産施設が稼働停止、パイプライン不具合で

(米国、英国、ノルウェー)

ヒューストン発

2022年08月15日

英国石油大手シェル(本社:ロンドン)、米国石油大手シェブロン(本社:カリフォルニア州サンラモン)およびノルウェーのエネルギー大手エクイノール(本社:スタバンゲル)は811日、各社がメキシコ湾沖に保有する計7カ所の石油生産施設の稼働を停止した。複数のメディアが報じた。米ルイジアナ州メキシコ湾岸のフォーチョン港の陸上パイプラインから約2バレル(約318リットル)の原油が漏れ出た事故が影響した。

報道によると、陸上側の漏出が発生したため、メキシコ湾沖の7つの石油生産施設から陸上側への原油の移送を中断せざるを得なくなった。今回の石油生産施設の稼働停止により、日量約60万バレルの生産が影響を受ける可能性がある。

シェルは、3つの石油生産施設で稼働を停止した。これらの施設を合わせた生産能力は日量最大41万バレルになる。シェブロンも3施設、エクイノールも1施設でおのおの稼働を停止した。シェルは「当社は地元当局と連携し、人員と設備を動員して状況把握に努めている」と述べるにとどめ、生産再開の時期は言及していない(ロイター811日)。

今回の石油生産施設の稼働停止により、メキシコ湾岸のMarsブレンド原油価格が上昇した。一方、メキシコ湾のドライガス生産量は約2.4%減と、82日以来最も減少したことにより、ガス先物価格は8.4%上昇し、2週間ぶりの高値になった(「リグゾーン」812日)。

(沖本憲司)

(米国、英国、ノルウェー)

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