米インテル、アリゾナ州で建設中の新規工場に資産運用会社と最大300億ドル共同投資へ

(米国、カナダ)

ロサンゼルス発

2022年08月25日

米国の半導体最大手のインテル(本社:カリフォルニア州サンタクララ)は823日、「半導体共同投資プログラム(Semiconductor Co-Investment Program)」を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

このプログラムの一環として、インテルは、カナダのオルタナティブ資産運用会社のブルックフィールド・アセット・マネジメント(本社:オンタリオ州トロント)傘下のインフラ関連会社と契約を締結し、両社は、インテルがアリゾナ州チャンドラーのオコティロ・キャンパスで建設中の2棟の工場に最大300億ドルを共同投資する。プロジェクト費用総額のうち、インテルが51%、ブルックフィールドが49%を負担し、インテルは、新規工場の所有権や運営権を保持する。今回の仕組みにより、インテルは、調整後フリーキャッシュフローを累積的に150億ドル改善することができる。

インテルは、アリゾナ州以外にも、オハイオ州やドイツで新たな半導体製造工場の建設を計画しており(2022年1月24記事3月24日記事参照)、建設資金の一部は8月に成立した「CHIPSおよび科学(CHIPSプラス)法案(H.R.4346)」などの活用を視野に入れているが、依然として投資負担は重い。資産運用会社とパートナーシップを結び、新規工場への投資資金を確保することで、財務上の負担を軽減する狙いがあるとみられる。

インテルの最高財務責任者(CFO)のデイビット・ジンズナー氏は「半導体製造は世界で最も資本集約的な産業の1つで、インテルの大胆なIDM2.0戦略には、独自の資金調達アプローチが必要だ。ブルックフィールドとの契約は半導体業界では初めてのことで、バランスシートのキャパシティーを維持しながら柔軟性を高め、より分散型で弾力性のあるサプライチェーンを構築できるようになると期待している」と今回のプログラムの意義を強調している。

(永田光)

(米国、カナダ)

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