プロファウンドヴィジョン、ICT人材の日本派遣を開始

(パキスタン、日本)

カラチ発

2022年08月08日

情報通信技術(ICT)の人材派遣やオフショア開発などを得意とするスタートアップのプロファウンドヴィジョン(PV、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:塩原信夫氏)が6月、パキスタンの最大商都カラチに現地法人を設立した。今後、パキスタンのICT人材を日本市場へ供給する。日本に送り出す前には、日本語や文化、生活習慣など、日本社会に適応するためのトレーニングも行い、2025年までに4,000人程度の人材を日本企業に紹介することを目指す。

PV2009年に創業し、その後、日本在住40年以上で金融業の経験を持つパキスタン人創業者で最高執行責任者(COO)のノーフィル・イクバル氏が、東京在住のオーストラリア人ICT技術者やアメリカ人マーケティング専門家、自動車メーカー出身の塩原氏らと2021年に株式会社化した。幅広い海外ネットワークや、日本語が堪能な3人を中心とした多言語・多文化対応がPVの強みの1つとなっている。

5月にはイクバル氏と幹部3人がパキスタンを訪問し、IT通信省や投資庁などの省庁や有力大学を訪問し、パキスタン事業への協力を求めた。

イクバル氏はジェトロの取材に対し、「(日本の)経済産業省の調査によると、2030年までに日本ではIT人材が最大79万人不足する。PVはその0.5%の約4,000人を送り出すことを目標とした」という。さらに、それだけの人材と企業をマッチングさせるのに人手に頼るのは不可能と考え、5,000万円を投資し、海外ICT人材マッチングポータル「FiTE(ファイト)」を開発した。パキスタン人は英語で登録、それをPVが日本語に翻訳、登録した日本企業に対して人工知能(AI)が最適な自動マッチングを行うというシステムだ。

同社は現在、IT系卒業生のFiTEへの登録を増やすために、パキスタンのIT・工学系有力大学約10校と相互協力に関する覚書(MOU)締結を精力的に進めている。718日には、登録を希望するパキスタン人の質問を受け付けるコールセンターもカラチに開設した。日本では1027日に、FiTEJapan IT Week秋(幕張メッセで開催)で正式に発表する予定だ。

写真 ノーフィル・イクバル最高執行責任者(COO)(プロファウンドヴィジョン提供)

ノーフィル・イクバル最高執行責任者(COO)(プロファウンドヴィジョン提供)

(山口和紀)

(パキスタン、日本)

ビジネス短信 e53c3a7e799f8841