サマータイムの開始を後ろ倒し、国民投票が影響
(チリ)
サンティアゴ発
2022年08月16日
チリ内務省は、8月9日付のコミュニケにて、マガジャネス州を除くチリ全域において、サマータイムを2022年9月11日の午前0時より開始すると発表した。これにより、2023年4月1日までの間、域内の時刻は1時間早まり、日本との時差は13時間から12時間へ変更される。
例年通りの日取りであれば、2022年のサマータイムの開始は、9月4日の午前0時から予定されていた。コミュニケ内では特に触れられていないものの、各種メディアは、政府がスケジュールを1週間後ろ倒しにした背景として、9月4日に実施される新憲法草案の承認を決する国民投票の存在を挙げており、投票日直前に時差調整を行うことによる国民の混乱を避け、投票率を高める狙いがあるとみられている。
一方で、政府からの本措置に関する発表がこの時期までずれ込んだという事態について、航空業界からは不満の声があがっているようだ。8月10日付の現地紙「エル・メルクリオ」に掲載されたインタビューで、チリにて国際航空運送協会(IATA)のカントリーマネージャーを務めるガブリエラ・ペラルタ氏は、既に9月4日以降の国際便のチケットを購入している乗客の旅程などに支障が生じ得る点や、本件についての協議を実施するために5月以降、数回にわたってチリ内務省へ面談の申し入れを行ったが、反応が得られなかった点を指摘している。
(佐藤竣平)
(チリ)
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