政府がサル痘対策を提示

(モロッコ)

ラバト発

2022年08月05日

モロッコ国内で、サル痘感染者の初の症例(1人)が62日に確認されて以来、83日時点まで保健・社会保障省から新たな感染者の公表はない。政府は新型コロナウイルス感染症と同レベルの対応は不要としているが、ハリッド・アイト・タレブ保健・社会保障相は66日、国会の衆議院での答弁で、下記の4段階のサル痘対策を示した。

  • 1フェーズ:サル痘の診断や治療に関する医療専門家の訓練を実施する。
  • 2フェーズ:国内4カ所の医療研究施設でサル痘の診断・治療プロセスを研究する。
  • 3フェーズ:サル痘感染が疑われる人物を把握する。
  • 4フェーズ:サル痘感染者の隔離を実施する。

保健・社会保障省は「サル痘に関する監視対応計画」を同省ウェブサイトで520日に公表している。「サル痘に関する監視対応計画」では、感染の仕組みや症状(写真付き)、はしかや水疱瘡(すいほうそう)との比較、致死率、治療薬やワクチンの普及状況などを示している。診断方法として、PCR検査の実施が推奨されている。採取する検体は発症後の段階によって異なり、発熱などの期間(14日)は鼻やのどの粘液、発疹が生じてからの期間(24週間)は水疱や膿疱(のうほう)の内容液やかさぶたを採取してPCR検査を実施する。

モロッコの感染症専門家は725日付のインターネットメディア「LE MATiN」で、現時点で政府が緊急対応する状況にはないが、今後状況が変われば必要な対応策を取ることになるだろうと語っている。

(本田雅英)

(モロッコ)

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