フィリピン政府が米中間の緊張関係の高まりに懸念表明

(フィリピン、米国、中国、台湾)

マニラ発

2022年08月12日

フィリピン政府は84日、米国連邦議会のナンシー・ペロシ下院議長の台湾訪問(2022年8月3日記事参照)をきっかけとした米中間の緊張関係のさらなる高まりや、フィリピン北部に近接する台湾海峡情勢の緊迫化について、深い懸念を表明した。また、関係国・地域同士の自制と、外交と対話による冷静な対応を訴えた。その上で、フィリピンは「中華人民共和国」が中国を代表する唯一の合法政府と認識し、「一つの中国」の原則を順守すると強調した(政府通信社202284日付)。前日の3日に開催されたASEAN外相会合でも「ASEAN各国は『一つの中国』政策を支持する」との声明を発表しており、インドネシア、ベトナム、タイも同様の声明を発表している(2022年8月9日記事参照)。

フィリピンは米国との間で1952年に比米相互防衛条約(MDT)を締結(1951年署名、1952年発効)しており、同盟関係にある。

(吉田暁彦、サントス・ガブリエル)

(フィリピン、米国、中国、台湾)

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