韓国・インドネシア首脳会談を開催、戦略的パートナーシップを強化

(韓国、インドネシア)

ソウル発

2022年08月03日

韓国大統領室は、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領とインドネシアのジョコ・ウィドド大統領が728日に首脳会議を開催したと発表した。ジョコ大統領は2728日に韓国を訪問していた。共同記者会見で、尹大統領は「インドネシアはASEANをリードする国であり、韓国との間では『特別な戦略的パートナーシップ』を結んだ東南アジア唯一の国」と両国関係を総括した。

2国間関係では、重要鉱物のサプライチェーンの安定化をはじめ、両国間の経済安全保障面での協力強化を通じ、電気自動車(EV)やバッテリーなどの先端産業分野での戦略的な連携構築で合意した。インド太平洋経済枠組み(IPEF)においては、両国の共通の関心事項について密接に連携を図ることで一致した。

インドネシアの首都移転事業については、両国が一層緊密な協力を進めることで一致した。尹大統領は、世宗市建設の経験がインドネシアにとっての好例になるとして、両国間の首都移転協力に関する了解覚書(MOU)を改定した、と述べた。さらに、韓国企業がインドネシアの新首都のインフラ、電子行政、スマートシティ構築に積極的に貢献するだろうと強調した。

そのほか、国防・防衛産業での協力は両国関係における核心的新機軸になるとして、次世代戦闘機「KF21」(注)の飛行試験に成功したことを祝した。

多国間関係では、インドネシアのG20議長国としての諸活動を積極的に支持するとした。また、ウクライナ情勢の早期解決と国際的な食糧・エネルギー危機の解消のために緊密に協力していくこと、ミャンマーの民主主義への回帰と人道問題の解決のため支援を継続することなどで一致した。

ジョコ大統領は、両国間の経済分野の関係が一層堅固になる、と述べ、今回の訪問で、インドネシア投資省、ポスコ、クラカタウ・スチール(PT. Krakatau Steel)の間で、EV・自動車用鉄鋼とヌサンタラ新首都建設参入にかかるMOUが締結されたことを歓迎し、MOUを通じ58,000人の雇用創出につながると期待を示した。

韓国の全国経済人連合会によれば、2021年の韓国からインドネシアへの直接投資は180億ドルと1980年以降、最大の投資額になった。具体的には、現代自動車による完成車工場(155,000万ドル)、ロッテケミカルによる石油化学工業団地(39億ドル)、現代自動車グループおよびLGエネルギーソリューションによるEV用バッテリー工場(11億ドル)などがあり、今後も韓国企業のインドネシア投資は増加していくと見込んでいる。

(注)韓国とインドネシアが共同開発している新型戦闘機。7月19日に試作飛行に成功した。2026年から量産開始の予定。

(当間正明)

(韓国、インドネシア)

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