ペロシ米下院議長、日本を訪問し会見、「台湾孤立化は許さない」と米台の友好関係を強調

(米国、日本、台湾、中国)

米州課

2022年08月05日

米国のナンシー・ペロシ下院議長は85日、午前中に岸田文雄首相との朝食会に出席した後、在日米国大使館で記者会見外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを行った。

同議長は、記者会見の冒頭で「アジア太平洋は安全保障、経済、統治など多くの分野において非常に重要」と述べ、今回の歴訪の重要性を強調した。歴訪中の中国の行動については、「初めから説明しているとおり、われわれはアジアおよび台湾における現状の変更を目的としておらず、台湾関係法などの法律や合意も、台湾海峡における平和のためだ。中国の行動はおそらく、われわれの台湾訪問を口実にしたものだろう」と語り、同国を批判した。また、同議長は、台湾が世界保健機関(WHO)の年次総会に参加できなかったことを例に挙げ、「中国は台湾を孤立化させようとしてきた」と主張し、「われわれはハイレベルの台湾訪問を継続し、中国が台湾を孤立化させることは許さない。米国と台湾の友好関係は強固だ」と語った。

また、今回の議員団一行(ペロシ議長のほかに、グレゴリー・ミークス外交委員長、マーク・タカノ退役軍人委員長、スーザン・ベルデネ歳出副委員長、ラジャ・クリシュナムルティ情報特別委員会委員、アンディー・キム軍事委員会委員)について、インド生まれのクリシュナムルティ議員、韓国出身の両親を持つキム議員、日系3世のタカノ議員に言及し、「われわれは、アジアの美しい多様性を表している」と述べ、訪れた全ての国で安全保障、経済、統治に関する前向きな議論ができたことを強調した。

岸田首相は、朝食会の後に記者団に対し、「(ペロシ議長と)台湾海峡の平和と安定を維持していくため、引き続き日米で緊密に連携していくことを確認した」と述べている。

(片岡一生)

(米国、日本、台湾、中国)

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