深セン、気候変動分野の投融資プロジェクトの募集開始、金融支援を強化

(中国)

広州発

2022年08月10日

中国・深セン市生態環境局は728日、気候変動分野の関連産業の発展を促進するため、826日までの期間で気候投融資プロジェクトを募集する外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますと発表した。選定されたプロジェクトに対し、深セン市生態環境局、中国人民銀行深セン市中心支店などの部門が、政府・銀行・企業のビジネスマッチング、中国認証排出削減量(CCER)の開発・研修、炭素排出削減支援ツール(注1)の信用貸付指導などを実施。また、当該プロジェクトに対する国内外の低金利資金・長期資金の投資を促すなど、企業の国際融資を支援する。

募集するプロジェクトの領域は、低炭素エネルギー、低炭素工業、低炭素交通、低炭素建築、廃棄物・廃水、生態系のカーボンシンク(炭素の吸収と固定)、低炭素技術・サービスなど7つの分野を含む。

以下の条件を全て満たすプロジェクトが対象となる。

  • 申し込みの主体が深セン市内に登記している、または建設プロジェクトの所在地が深セン市内に位置する。
  • 深セン市が支援する7つの気候投融資の重点業界・分野のいずれかに属す2)
  • 一定の温室ガス排出削減または気候変動適応に関する効果を創出する。

深セン市における気候投融資に関する政策に関しては、中国共産党中央委員会弁公庁・国務院弁公庁が202010月に発表した「深セン市における中国の特色ある社会主義先行モデルエリア建設の総合改革試行方案(20202025年)」の中で、気候投融資メカニズムの整備などについて明記。具体的な取り組みの1つとして盛り込まれた。

その後、深セン市は202111月から気候投融資改革パイロット事業を展開。20222月の深セン市生態環境局の発表では、華夏銀行が、太陽光発電事業者の深セン創維光伏科技および深セン市拓日新能源科技との間でそれぞれ戦略的協力に署名。パイロット事業第1期として、両社に低金利・長期の資金を提供することが明らかにされていた。

(注1)中国人民銀行が創設した、炭素排出削減投融資活動への支援を拡大するための金融政策ツール。全国規模の金融機関を対象とし、炭素削減関連融資資金の60%を利率1.75%で提供するとしている。

(注2)詳細は、「国家(深セン)気候投融資プロジェクト分類評価表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」を参照。

(汪涵芷)

(中国)

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