バイデン米政権、新たなサル痘対策を発表、追加ワクチン180万回分確保

(米国)

ニューヨーク発

2022年08月19日

米国ホワイトハウスのサル痘対策チームは818日、サル痘感染流行への対応を加速し、感染拡大を抑えるために、バイデン政権が取っている一連のアクションとして、3つの新しい対策を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

1に、保健福祉省(HHS)は822日から、新たに用意した180万回分のサル痘ワクチンを供給可能にするとしている。89日に食品医薬品局(FDA)が緊急使用許可(EUA)を発表した、皮内注射による接種(2022年8月12日記事参照)を既に導入しており、これまでに供給されたワクチンの90%を使用済みの州や地域が対象となる。

2に、HHSは、今後数週間または数カ月のうちに、男性の同性愛者が集まる大規模のイベントを開く予定がある州や地域に対し、既に供給されているワクチンに加えて、ワクチンを新たに分配する試験的なプログラムを開始するとしている。このプログラムを通して供給されるワクチンは、戦略的国家備蓄(SNS)から確保され、回数は5万回分となる。また、既にノースカロライナ州、ジョージア州、ルイジアナ州では、各州の保健局を通してプログラムを開始したとしている。例として、ノースカロライナ州シャーロットで82021日にゲイプライド関連のイベントの開催が予定されており、このイベント期間でのワクチン投与計画に伴い、HHSは同州に最大2,000回分を補充するとしている。

3に、バイデン政権は来週から、各地域の医療機関で患者がすぐに治療されるように、抗ウイルス処方薬のテコビリマット(TPOXX)の治療コースを5万人分用意するとした。

米国疾病予防管理センター(CDC)の米国のサル痘感染者数の統計ウェブページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、米国では818日現在、ワイオミング州を除く全ての州で、合計14,115人の感染が確認されている。感染者が500人を超える州は、ニューヨーク州(2,744人)、カリフォルニア州(2,663人)、フロリダ州(1,372人)、テキサス州(1,079人)、ジョージア州(1,066人)、イリノイ州(888人)の6州。

(吉田奈津絵)

(米国)

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