ポスコ、英国企業と共同で水素還元製鉄のデモプラント設計に着手

(韓国、英国、スウェーデン)

ソウル発

2022年08月12日

韓国の製鉄大手ポスコは84日、英国の製鉄機械メーカーのプライメタルズテクノロジーズ(Primetals Technologies)との間で水素還元製鉄(注1)のエンジニアリング技術協力にかかる業務協約を締結したと発表した。同社は「2050年のカーボンニュートラルの達成に向けた本格的な一歩を踏み出した」(注2)と評価している。

両社は、水素が25%含まれた還元ガスを使用する「ファイネックス」(FINEX)設備を共同で設計した経験を持つ。この経験をもとに今回、業務協約を締結し、「ハイレックス」(HyREXHydrogen Reduction、水素還元製鉄のデモプラント)設計に着手する。ポスコでは、2030年までに水素還元製鉄の商用化の可能性を検証し、以降、生産の最適化を経て、同社が有する高炉をハイレックスにリプレースする計画だ。

また、ポスコはスウェーデンの鉄鋼会社SAABと共同で、水素還元製鉄の国際フォーラム「HyIS Forum 2022」(Hydrogen Iron & Steel Making Forum 2022)を開催する。今回のフォーラムは101213日の2日間、スウェーデンのストックホルムでオンライン・オフラインのハイブリッド方式で開催する。一般の参加希望者は、オンライン参加のみが可能で、916日までに専用ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを通じ、参加の申し込みができる。

(注1)水素を100%使用し、鉄鋼工程の原料となる直接還元鉄(DRIDirect Reduced Iron)を生成し、これを電炉で溶解して生産する技術。

(注2)韓国の産業分野(工業プロセスおよび製品の使用)の温室効果ガス排出のうち、鉄鋼産業の排出は約40%。

(当間正明)

(韓国、英国、スウェーデン)

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