中国本土からマカオへ、外国人も隔離なしで往復可能に
(中国、マカオ)
広州発
2022年08月25日
マカオ特別行政区政府衛生局は8月20日、中国本土に滞在する外国人(注1)のマカオへの入境に関する新たな通知を発表した。マカオへの入境に際しては、居住地や滞在歴などに応じて異なる防疫措置が敷かれている。これまで、中国本土からの外国人の入境に際しては、親族訪問やビジネスなど特別な理由とともに、マカオ特別行政区政府衛生局への事前申請が必要とされてきた。今回の通知により、8月22日午前0時から、下記1~3のいずれかの条件を満たしていれば、マカオ特別行政区政府衛生局の事前承認を得ることなく、マカオへの入境が可能となった。
1.有効期限内のポルトガルのパスポート保持者
2.有効期限内のパスポート保持者で、マカオに長期滞在するための以下の資料のいずれかを所持している者
a:公安警察が発行した有効な「居留許可証」または「特別滞在許可証」証明書類
b:外国人従業員の「身分証明書」または「就労目的の入境許可証」
c:労働局が発行した「専門外国人就業許可証」および公安警察が発行した「従業員身分による滞在許可証」の申請書類受領書
d:専門職の海外駐在員のための「特別滞在許可証」
3.有効期限内のパスポートを所持し、中国本土に再入境するための以下の条件のいずれかに該当している者
a:中国と外国との間の相互査証免除協定の適用となるパスポートを所持
b:中国本土において有効期限内の工作類、私人事務類、もしくは家族訪問類の外国人居留許可証を保持
c:中国本土の有効期限内の外交、公務、礼遇、C字(注2)ビザを所持
d:中国本土のその他のビザを所持(有効期限まで1カ月以上)
e:中国本土の有効期限内の外国人用永久居留証を保持
f:有効期限内の中国旅行許可証、中国出入境通行証、または中国本土への再入境が可能なその他の書類を所持
なお、マカオから中国本土への入境に関しては、8月3日から、24時間以内のPCR検査陰性証明書を保持している場合は強制隔離が不要となっている(注3)。今回の措置により、中国本土に滞在する外国人は新型コロナウイルスの流行以降初めて、条件付きではあるものの、事前申請や強制隔離なしでマカオとの往復が可能となった。広東省に滞在する外国人にとって、隣接する香港・マカオへの出入境情報への関心が高く、今後マカオだけでなく、香港との間での出入境条件の緩和にも期待が寄せられている。
(注1)入境前10日間に中国本土以外の滞在歴がなく、中国への再入境のために有効なビザなどを有する外国人(中国本土、香港、台湾のパスポートや身分証明書を保持しない非中国本土居住者)。
(注2)乗務で訪中する国際列車や航空機の乗務員、船員およびその家族向けに発行されるビザ。
(注3)入境時には、目的地の社区・単位・ホテルなどへの報告義務および陰性証明書の所持が必要。また、入境後48時間以内に再度PCR検査を受ける必要があるほか、入境後3日間は原則公共交通機関を利用せず、「2点1線(居住地と勤務地の往復のみ)」を原則とするとされている。
(田中琳大郎)
(中国、マカオ)
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