EU、8月8日から食品への白色着色料の二酸化チタンの添加禁止
(EU、フランス)
パリ発
2022年08月08日
EUで8月8日から、二酸化チタン(TiO2/E171)を食品に添加することが全面的に禁止された。食品添加物に関する規則(EC)1333/2008の付属書IIとIIIを改正し、二酸化チタンを禁止する規則(2022/63)に基づくもの。同規則は2022年1月18日にEU官報に掲載され、2月7日に施行された。
改正前の規則に基づいて製造された二酸化チタンを含有する食品は8月7日までEU域内への市場投入ができ、記載された賞味・消費期限まで販売できたが、8月8日以降は市場投入ができなくなった。実質的に少量の着色料としても使用ができなくなった。
二酸化チタンの安全性については、欧州食品安全機関(EFSA)が2021年5月6日に公表した科学的意見書で「入手可能なあらゆる証拠に基づき、遺伝毒性(Genotoxicity)の懸念を排除することはできず、多くの不確実性を考慮し、二酸化チタンを化学物質として使用する場合、安全と見なすことはもはやできない」と結論付けていた。
改正前の付属書IIによって食品添加物(白色着色料)として少量の使用が認可されていたナノマテリアルの二酸化チタンは、フランスでは2020年1月1日から市場投入が禁止されていた(2019年4月26日記事参照)。
二酸化チタンはチョコレート菓子やチューイングガムなどのコーティング剤などに広く使用されていた。
なお、二酸化チタンは、実施規則2021/2090により、動物用の栄養剤の添加物や飼料用着色料としても、2022年3月20日からEUで市場投入が禁止されている。
(西尾友宏)
(EU、フランス)
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