新型コロナ感染者の隔離措置を廃止、接触制限措置を実施

(オーストリア)

ウィーン発

2022年08月03日

オーストリア連邦政府は81日、新型コロナウイルス感染者に対する隔離措置を廃止外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。抗原検査またはPCR検査で陽性の場合、感染者に対して自宅での自主隔離ではなく、接触制限措置を取る。新型コロナウイルスの感染報告義務は従来どおり継続する。

検査結果が陽性の場合の接触制限措置の内容は以下のとおり。

〇以下の場合、FFP2マスクの着用を義務付け。

  • 自宅以外の室内で他人と接触する可能性がある場合
  • 自宅以外の屋外で他人と2メートル以上の距離が保てない場合
  • 公共交通機関内
  • 自家用車など公共交通機関以外の移動手段内で、他人と接触する可能性がある場合
  • 自宅に訪問者が来る場合の室内と屋外で他人と2メートル以上の距離が保てない場合

〇感染リスクの高い人がいる施設(高齢者介護施設、身体障害者向け施設、医療機関、幼稚園など)への訪問禁止(居住者、職員は除外)。

症状のない感染者は原則として出勤可能だが、FFP2マスクの常時着用などが義務付けられる。

陽性確定から10日後に接触制限措置は終了できる。また、5日目以降に受診したPCR検査の結果が陰性(またはCT30以上)の場合、接触制限措置を早期に解除することが可能。

ただし、連邦レベルで最大野党の社会民主党が政権を握るウィーン州とブルゲンランド州では、81日以降も感染者の自宅隔離措置の一部を継続すると発表している。州内の病院や介護施設、公共施設などの職員に対し、症状のない感染者も引き続き出勤を制限する。同じく社会民主党が政権を握るケルンテン州のペーター・カイザー知事は隔離措置の廃止を不器用で無責任と批判している。同知事は731日付「クリエ」紙のインタビューで、「連邦政府が州の懸念に配慮せず、感染者数が増え続けている時期に隔離措置の廃止を行ったことは間違いだ」と述べた。

(エッカート・デアシュミット)

(オーストリア)

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