米ワイオミング州共和党予備選、反トランプ氏派の現職チェイニー氏が敗北

(米国)

米州課

2022年08月17日

米国ワイオミング州で816日、118日の中間選挙に向けた予備選挙が実施された。中でも、連邦下院議員の共和党予備選は「反トランプ氏派」の代表格で、ディック・チェイニー元副大統領を父に持つ現職のリズ・チェイニー氏と、ドナルド・トランプ前大統領から支持を受けたハリエット・ヘイグマン氏の争いとなり、大きな注目を集めた。

現地時間816日午後11時時点(開票率95%)で得票率は、ヘイグマン氏が66.1%、チェイニー氏が29.2%となり、チェイニー氏の敗北が確実となった。ヘイグマン氏は民主党予備選に勝利したリネット・グレーブル氏と本選で争う。

今回の予備選では、トランプ氏の支持を受けた候補者による共和党予備選の勝利が相次いでおり、共和党内の同氏の影響力が増加している。チェイニー氏は支持者を前に演説し敗北を認める一方、「この予備選は終わった。しかし、本当の仕事はこれから始める」と語り、今後もトランプ氏に反対する政治家として闘い続けることを示唆した。チェイニー氏は共和党議員でありながら、202116日に発生した連邦議会議事堂襲撃事件を調査する下院特別委員会の副委員長を務めてきた。トランプ氏は自身のSNSプラットフォームに「リズ・チェイニー氏は自分自身、自身の行動、唾棄すべき尊大な言動を恥じるべきだ。今、彼女は政治的忘却の奥底に消え、そこで今よりもずっと幸せになれると確認している。ありがとう、ワイオミング」とコメントを投稿し、チェイニー氏を厳しく非難した上でこの結果に満足していることを明らかにした。

ワイオミング州ではこのほか、知事や州議会議員などの予備選も実施された。知事選については、現職のマーク・ゴードン氏が共和党予備選を勝ち進み、本選でテレサ・リビングストン氏(民主党)と争うことになる。

(片岡一生)

(米国)

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