江蘇省、安徽省、浙江省で電力消費削減やピークシフト生産を呼びかけ

(中国)

上海発

2022年08月24日

中国の江蘇省、安徽省、浙江省などの各地で、高温が続く中で電力需給が逼迫し、消費電力の節約が呼びかけられている。

江蘇省南京市発展改革委員会と国家電網南京供電会社は812日、工業企業、特に高エネルギー消費企業に対し、自発的にピーク時を避けて電力を使用することや、需要に応じた合理的な生産計画と生産シフトを手配し、不必要な電力使用を削減、電力消費量を最大限節約するよう求めた。

安徽省合肥市発展改革委員会と国網合肥電力公司は89日、「全市電力使用者への電力節約提案書」を発表。今夏の電力需給の情勢は緊迫しており、工業企業に対し電力消費のピーク時を回避する計画的な電力使用を求めた(「合肥新聞」89日)。

浙江省発展改革委員会は86日、「C級(注)電力使用開始同意に関する書簡」を発表した。書簡によると、同省は88日に電力不足の状況に基づき、C級の電力使用措置を開始し、家庭用電力を確保するとともに、工業企業の電力使用への影響を最小限に抑えて、経済社会の正常な運行を保障するという。

ジェトロが浙江省で88日、江蘇省では811日に行った現地進出日系企業へのヒアリングによると、各地方政府や開発区などが企業に対し電力消費量の削減や操業制限などを要請、場合によっては突然の連絡によって工場の稼働を制限されるケースもあるという。

中国電力企業連合会が725日に発表した「2022年上半期全国電力需給情勢分析予測報告」では、国内外の疫病や国際情勢、夏季と冬季の気温などの影響を受けて、下半期の電力消費量は依然として不確実と解説。また、国内外の疫病、マクロ経済、燃料供給、気温、降水、石炭電力企業の大規模かつ深刻な経営状態の悪化の継続など、さまざまな要素が交錯し、電力需給情勢に不確実性をもたらし、特に、夏季のピーク時には華東、華中、南方地域の一部の省で電力需給は逼迫すると予測していた。

(注)電力の安定供給を目的として、工業企業に対し電力使用の制限を要求する等級。A級からF級の6段階に分かれており、F級が最も厳しい制限措置となる。

尹世花

(中国)

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