2022年第2四半期も対内直接投資は順調に推移

(サウジアラビア)

リヤド発

2022年08月12日

サウジアラビア投資省(MISA)は87日、2022年第2四半期の国内投資動向をまとめた「投資ハイライト(Investment Highlights)」を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。サウジアラビアでは、マクロ経済が好調に推移する中、国内投資も順調に推移している。

MISAが第2四半期に外資系企業に対して新規に提供したライセンス件数は合計4,455件で、前年同期(576件)の7.7倍を記録した。MISAは増加の要因について、堅調な対内直接投資に加えて、第1四半期(2022年6月7日記事参照)に続き、反隠匿法(Anti-Concealment law)の施行により、ライセンス取得が継続的に促されていることを挙げている。

分野別にみると、卸売・小売業でのライセンス発行が全体の半数以上を占める2,713件となった。同分野でのライセンス発行が前年同期比15.5倍の大幅増となった理由について、MISAは消費者の信頼と購買力の上昇によって急成長する小売・Eコマース産業に対する投資家の関心の高まりを挙げたが、反隠匿法を受けたライセンス発行事例も相当数含まれるとみられる。そのほか、建設業と製造業がそれぞれ6.1倍、3.3倍と大幅に増加した。製造業では45月の2カ月間で121工場が新規に操業を開始し、特に5月は前年同期比9割増となるなど、実体経済にも好影響を与えている。

MISAはまた、第2四半期に署名した49の投資案件のうち、金額が公表されている33案件の合計額が92,500万ドルとなり、新規創出雇用が1,969件に上ったとした。

2四半期の外資系企業による新規投資や事業拡張の主たる動きとしては、地場のシェーカー・グループとイタリアの家電企業大手ボンパニとの合弁事業がはじめに紹介された。同グループは、輸入代理店としてボンパニの製品を長年取り扱ってきたが、今後1年以内に一部の調理器具で国内生産を始める予定としている。情報通信技術分野では、地場通信企業最大手のサウジ電気通信会社(STC)とアリババ(中国)が発表した、クラウドコンピューティング分野における23,840万ドル規模の投資計画が報告された。

また、報告書には記載されなかったものの、日系企業関連では、ムハンマド・ビン・サルマン財団(Misk Foundation)が518日、子会社を通じて日本の大手ゲーム企業SNKの株式買い増しを完了し、全株式の96.2%を保有する大株主となったことを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしている。

(秋山士郎)

(サウジアラビア)

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