メルセデス・ベンツ、蓄電池分野で中国CATLとの連携強化

(ドイツ、ハンガリー、中国)

ミュンヘン発

2022年08月23日

ドイツ自動車大手メルセデス・ベンツグループ傘下のメルセデス・ベンツは812日、20208月から続くリチウムイオン電池大手の中国の寧徳時代新能源科技(CATL)との協力関係強化を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。具体的には、CATLがハンガリーのデブレツェンに新設するバッテリー式電気自動車(BEV)用蓄電池工場(2022年8月18日記事参照)から、ドイツとハンガリーで電動車を生産するための高性能蓄電池セルを調達する。

メルセデス・ベンツは20217月、市場条件が許す地域で2030年までに完全BEV化を目指すことを発表している(2021年8月3日記事参照)。目標達成に向けて、同社は2030年までにCATLを含むパートナー企業と協力し、全世界で8カ所(うち欧州4カ所)に蓄電池セル工場を新設、年間生産能力200ギガワット時(GWh)以上を確保する計画だ。今回のCATLとの連携強化はその一環となる。メルセデス・ベンツは20219月、同社と自動車大手ステランティス、フランス蓄電池メーカーのサフトとの蓄電池セルの合弁会社オートモーティブ・セル・カンパニー(ACC)に3社均等の出資比率で参画することを発表、2030年までにACCの欧州内の年間生産能力を少なくとも120GWh以上確保する目標を掲げている。

メルセデス・ベンツグループは、20195月発表の計画「アンビション2039(Ambition2039外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」で、2039年までのカーボンニュートラルを目標として掲げている。目標達成のため同社は2030年までに、乗用車のライフサイクル全体で排出される二酸化炭素(CO2)を2020年比で半減させることを目指す。目標達成には、蓄電池生産過程でのCO2削減も重要で、CATLが納品する蓄電池の生産には再生可能エネルギーが使用される。また、サステナビリティーの観点から、倫理や人権、環境に配慮した原材料を使用するとともに、新技術の活用でクリティカルマテリアル(重要な原材料、2020年9月4日記事参照)の使用を削減する。

ハンガリー中部にあるメルセデス・ベンツのケチケメート工場は2012年に操業を開始し、2021年の生産台数は約135,000台。同工場では2020年からプラグインハイブリッド車を生産(2020年8月6日記事参照)、202110月からはBEVEQB」の生産も始まっている。

(クラウディア・フェンデル、高塚一)

(ドイツ、ハンガリー、中国)

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