気候変動対策の進捗を評価する新システムSIATを導入
(メキシコ)
米州課
2022年08月29日
メキシコ環境・天然資源省は8月17日、温室効果ガス(GHG)削減と気候変動対策を目的とした施策の進捗状況を評価する「地方レベルの気候変動対策に関する透明性の高い情報システム(SIAT-Subnational)」を設置したと、同日付プレスリリースで発表した。
SIATは気候変動一般法(LGCC)第8条に準拠し、メキシコ32州の環境問題への対応状況を評価・監視するための基準と手順を定めている。国内で実施したGHG削減と気候変動対策を目的とした施策の進捗状況を評価し、脱炭素化に向けた目標と指標を確立することを目的としている。また、2015年の国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で採択された、2020年以降の気候変動対策の国際的枠組みであるパリ協定の各締約国は、GHG削減に関する「自国が決定する貢献(NDC)」を決定し、策定した計画を国連気候変動枠組み条約事務局(UNFCCC)に対して5年ごとに提出・更新することが求められている。同システムは、NDCの更新の際に活用されることになるという。
8月15日付の環境・天然資源省のプレスリリースによると、国立環境研究所(INECC)事務局長のアグスティン・アビラ・ロメロ氏は「こういったシステム(SIAT)を利用し、現在と未来の人々のため、地球の豊富な資源の持続可能性を保証し、2050年までの環境汚染の悪化を避けるために取り組んでいく」と発言している。
(高氏朋佳)
(メキシコ)
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