広東省、電力負荷が過去最高を更新も電力制限は回避の方針を明確に

(中国)

広州発

2022年08月03日

中国・広東省では725日に、電力負荷が14,200万キロワット(kW)に達し、過去最高を更新した。また同日、同省の広州市、深セン市、東莞市、仏山市、恵州市、潮州市など多くの都市で電気負荷が過去最高を記録した。連日猛暑が続いていることで、電力需要が高まったことが要因とみられる。

広東省などに電力を供給する中国南方電網(注)は、726日に声明を発表。安定的な経済成長に貢献すべく、電力供給を保障し、電力制限は発生させない旨を強調した。供給確保の具体的な手段として、電力網の配置の最適化、重点発電所プロジェクトの期限どおりの操業開始などを挙げた。

ジェトロが715日に広東省政府関係者に確認した情報によれば、同省政府は関連部門に対し、全力で電力供給を保障し、電力制限を実施しないよう指示を出しているとのこと。省を挙げて、企業の生産を保障する姿勢を明確にしている。

2025年には、電力供給能力は2kW

広東省では、電力供給保障の強化に向けたインフラの整備が加速している。中国南方電網は78日、広東・香港・マカオグレーターベイエリア(粤港澳大湾区、以下「ベイエリア」)において244件のエネルギー安定供給重点プロジェクトの建設を加速し、2025年の全面的稼働を計画していると発表した。重点プロジェクトは、複数の送電網整備工事、電力供給確保重点工事、揚水発電・蓄電プロジェクトなどを含む。広東電網(中国南方電網の子会社)インフラ建設部の謝榕昌副総経理は、同発表の中で、「送電網整備工事の完了により、『ベイエリア』への電力供給能力は、従来の1kWから2kWに増加する。年間平均停電時間は30分以下に削減できる」と述べた。

(注)中国南方電網のウェブサイトによれば、同社は、広東省および広西チワン族自治区、雲南省、貴州省、海南省、香港、マカオを電力供給先としている。

(汪涵芷)

(中国)

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