ジェトロ、昆明で日本産酒類商談会を開催

(中国)

成都発

2022年08月12日

ジェトロは85日、中国・雲南省昆明市において「昆明日本産酒類商談会」を開催した。中国沿岸部に拠点を置く日系貿易会社8社が出展、会場には約130人のバイヤーが訪れ、日本酒を中心に焼酎、梅酒、ウイスキーなどの日本産酒類の活発な商談を行った。

雲南省は、人口の3分の1が少数民族で、地域によって昆虫食の習慣があるなど、多様な食文化を持つ地域だ。進出する日系企業が沿海部と比較して少なく、当地に関する日本での情報が限定的なことなどから、同省でビジネスを展開する日本の食品関連企業はこれまで少なかった。昆明市内の小売店には、地理的に近いタイ、ラオス、ベトナムなどの東南アジア諸国の商品が多く並ぶ一方で、日本の商品はほとんど見かけない。こうした土地柄の故か、来場したバイヤーは出品された日本産酒類を物珍しそうに手に取って熱心に試飲していた。あるバイヤーからは「今回のイベントで初めて日本酒を飲んだ。中国伝統の白酒と同じような味がすると思っていたが、甘くて飲みやすかった」といった声が聞かれた。梅酒への関心も高く、梅酒を試飲したバイヤーからは「雲南省は中国有数のコーヒー豆の産地で、喫茶店やバーの数が多い。梅酒はその甘さから喫茶店やバーで提供しやすく雲南省で流行すると思う」といった声が聞かれた。

昆明市には岩手県雲南事務所(注)があることから、雲南省内には岩手県産の酒類が比較的多く流通している。同事務所の李楠所長は「雲南省は沿岸部の省と比較すると、日本産商品の流通量はまだまだ少ないが、雲南省には新しいものを求める好奇心旺盛な消費者が多い。多くの企業・自治体にも雲南省でのビジネスにチャレンジしてほしい」と同地の魅力を語った。

写真 会場での商品PRの様子(ジェトロ撮影)

会場での商品PRの様子(ジェトロ撮影)

(注)正式名称は、公益財団法人いわて産業振興センター雲南代表処。201842日に設立。

(寺田俊作)

(中国)

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