住友商事、米ワーナー・エアロに出資、航空機アフターマーケット事業拡大へ

(米国、日本)

ヒューストン発

2022年08月05日

住友商事は84日、米国子会社を通じて、退役機の調達、部品の取り下ろし・修理・販売など航空機パートアウト事業を手掛ける米国ワーナー・エアロ(本社:ニュージャージー州マーワー、以下ワーナー)に51%出資したと発表した。

航空業界では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、航空需要が一時的に低下したものの、国際航空運送協会(IATA)による予測では、2023年をめどに航空需要は新型コロナ禍以前の水準まで回復し、その後も近・中距離路線を中心に右肩上がりを続ける予想となっている。航空需要の回復・増加に伴い部品の需要も高まる中、世界的な資材価格の高騰や航空各社のコスト削減方針拡大により、新造部品に比べ安価な中古部品の需要もより一層増加する見込みだ。

航空機アフターマーケット事業の世界市場規模は、2020年が約294億ドル。2021年から2028年までの間に年平均約6%の伸び率で拡大し、2028年には約473億ドルに達すると予測されている(「フォーチュン・ビジネス・インサイト」202176日)。

住友商事の発表によると、ワーナーについて、米国での約30年にわたる航空機パートアウト事業を通じて、数多くの航空会社とのネットワークを持ち、高い在庫管理力に加え、機材調達力や部品販売力を有しているという。需要の多い近・中距離路線に用いられるナローボディ機体やリージョナルジェットの取り扱いに強みを持ち、新型コロナ禍でも堅実な経営を行ってきたとしている。

住友商事は、航空機リース事業を手掛けるSMBCアビエーション・キャピタル(本社:アイルランド・ダブリン)や、エンジンリース事業を手掛けるSMBCエアロ・エンジン・リース(本社:オランダ・アムステルダム)などの航空関連事業を手掛けている。今回の出資をワーナーの事業拡大につなげるとともに、機体パートアウト事業に参入することで、航空機リース事業、エンジンリース事業とのシナジー創出を進め、航空機アフターマーケット事業を拡大させていく方針だ。

(沖本憲司)

(米国、日本)

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