新型コロナワクチンの健康被害救済金、最大900万円分の給付申請手続きを規定

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2022年08月10日

アルゼンチン政府は725日、新型コロナウイルスワクチンを接種したことによる健康被害が認定された場合の救済金の給付申請手続きを規定した保健省・労働危険監督庁共同決議7/2022外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公布し、即日施行した。

20217月公布の政令431/2021外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、新型コロナワクチンの健康被害救済を目的とした新型コロナ救済基金の設立と、同ワクチンの接種による健康被害に対する救済金を定めた。救済金は、ワクチン接種によって死亡した場合や、永久的な障害を負った場合、最大で最低年金の240倍と定めている。現在の最低年金は37,525ペソ(約37,525円、1ペソ=約1円)のため、救済金は最大で9006,000ペソになる計算だ。救済金を受給するには、労働危険監督庁による健康被害の認定を受けた後、保健省の救済金額決定を受ける必要がある。

同国のワクチン接種率は731日時点で、1回目接種91%、2回目接種83.2%、3回目接種64.7%となっているが、接種率は伸び悩んでいる。

7月の新型コロナウイルス感染者と死者数をみると、7月に入ってから増加ペースが速まっている(添付資料図1参照)。7月最終週の新規感染者数は52,745人で、1週間の新規感染者数が5万人を超えたのは5月最終週以来だ。新規感染者増加の背景には、感染力が強いオミクロン株亜系統BA.4BA.5の広がりがある。保健省によると、7月最終週の外国渡航歴のない新規感染者に占めるBA.4BA.5の割合は約5割となっており、6月最終週の8.9%から大幅に増加した(添付資料図2参照)。とはいえ、新型コロナウイルスに起因する行動制限はほとんど解除されており、感染拡大を受けて導入された一時的な措置、例えば、7月には会社や市民団体、財団法人などの管理・運営組織の会合について、定款にない場合でも遠隔で開催することを認めていた例外措置を9月までの猶予期間を経て終了させることが決まっている。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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