和牛や水産物の試食会に現地バイヤーが集結、商談も実施

(香港)

香港発

2022年08月22日

ジェトロは889日、香港で初めて畜産物と水産物に特化したかたちで日本産食品の試食イベントを開催した。このイベントは、商業施設が多く立ち並ぶエリアである香港島・鰂魚涌(クオリーベイ)のレストラン「富嘉閣(フーガーゴッ)」を会場とし、現地バイヤーに新たな日本産食品の発見・発掘の機会を提供すべく、オンライン商談とあわせ実施した。日本全国からオンラインで13社が参加し、A5ランクの「おおいた和牛」や「飛騨牛」「北海道産ホタテ」「宮城県産の牡蠣(カキ)」など20商品が会場に並んだ。

新型コロナ禍で日本と香港との往来には依然として制約が残る中、これまでジェトロでは香港事務所内に設置している、日本産食品サンプルの常設展示場(「農林水産物・食品の輸出支援ポータル」2020年9月11日付参照)を活用して、さまざまな日本産食品をバイヤーに紹介してきた。しかし、畜産物や水産物は賞味期限が短いなどの理由から展示に適さないといった課題を抱えていた。

同イベントには、香港内で日本産商品を多く扱う現地系の小売店、卸売業者などの1345人のバイヤーが参加した。素材本来の味を楽しんでいただけるよう、「焼く」「茹(ゆ)でる」などの簡易な調理方法により、その場で調理をして参加バイヤーに商品の魅力をアピール。活発な商談につながった。ジェトロが事前にアレンジした商談に加え、バイヤーが当日の試食を通して関心を抱いた商品に対し、その場で商談が行われるケースもみられた。さらに、全バイヤーがイベント後に具体的な商談などを希望するなど、高い関心が寄せられた。

参加バイヤーからは、「和牛などは実際に生の肉を見てから試食することで、商品の良さがよく伝わってきた」「新型コロナ禍のため、香港ではこのような試食イベントが少ない。多くのサンプルをその場で試食しながら新しい食品を探すことができ、非常に効率的でありがたい」「試食によって予想外においしい商品を発見することができた」「また試食イベントを開催する際には、ぜひ参加したい」などのコメントが聞かれた。

ジェトロにおいては、今後も積極的に試食イベントなどを通して、日本企業と香港のバイヤーとの商談機会を提供していく予定だ。

写真 テーブルに陳列された生の食材(ジェトロ撮影)

テーブルに陳列された生の食材(ジェトロ撮影)

写真 食材の目利きを行うバイヤー(ジェトロ撮影)

食材の目利きを行うバイヤー(ジェトロ撮影)

写真 試食会場でオンライン商談を行うバイヤー(ジェトロ撮影)

試食会場でオンライン商談を行うバイヤー(ジェトロ撮影)

(柴田祐作)

(香港)

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