オラ、EV用バッテリーR&D拠点を開所予定

(インド)

ベンガルール発

2022年08月01日

インド配車サービス大手のオラ(Ola)の電気自動車部門、オラ・エレクトリック・モビリティは718日、8月にインド南部カルナータカ州の州都ベンガルールで電気自動車(EV)向けバッテリーの研究開発(R&D)拠点「バッテリー・イノベーション・センター(BIC)」を開所すると発表した〔オラ最高経営責任者(CEO)バービッシュ・アガルワル氏公式ツイッター〕。

同氏によると、BICはアジア最大規模のバッテリー研究開発施設となる予定で、投資額は5億ドルにのぼるとしている。同施設は165以上の実験装置を備えており、バッテリーの設計から、製造、試験までを1カ所で集約して行う。また、稼働に向けて、500人規模の博士号取得者やエンジニアを採用する予定だ(「エコノミック・タイムズ」紙718日)。

また、同社はこれに先立つ711日、EV用のリチウムイオン電池をインド国内で開発したことを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます2023年までにカルナータカ州の隣州、タミル・ナドゥ州の工場において大量生産することを予定している(「エコノミック・タイムズ」紙712日)。また、同社は、3月にインド政府による先端科学・セル電池(ACCバッテリー)分野における生産連動型優遇策(PLI)(注)の承認も受けており、EV用バッテリーの開発・生産に積極的な姿勢がうかがえる。

オラ・エレクトッリック・モビリティは、配車サービスを行うオラ・キャブスの親会社ANIテクノロジーズの子会社として2017年に設立されたが、株式の大部分をオラのバービッシュ・アガルワルCEOが取得。その後、同社は複数回にわたって増資しており、2019年にはソフトバンクグループが25,000万ドルを出資している(2021年12月24日記事参照)。

(注)PLIは、「メーク・イン・インディア」をスローガンとした製造業振興のためのインド政府による政策で、ACCバッテリー分野で、今後5年間で総額1,810億ルピー(約3,077億円、1ルピー=約1.7円)相当が企業向けの補助金として予算計上されている。

(倉谷咲輝)

(インド)

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