米カリフォルニア州、サル痘感染拡大で緊急事態を宣言

(米国)

サンフランシスコ発

2022年08月03日

米国カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は81日、サル痘の感染拡大の対策として、緊急事態を宣言外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同州はこの宣言を通じて、州政府全体でのサル痘対策の調整や、追加のワクチン(注)配布の要望、ワクチンや治療へのアクセスを支援・教育することなどを主導していく。米国疾病予防管理センター(CDC)の82日時点の発表によると、全米でサル痘感染者は6,326人で、うちカリフォルニア州は826人となっている。州の宣言に先立ち、サンフランシスコ市では728日、サル痘感染拡大に対する準備と対策強化を目的に、公衆衛生上の緊急事態を宣言した(2022年8月1日記事参照)。

ニューサム知事は「カリフォルニア州ではサル痘の感染を抑えるために、あらゆるレベルの政府機関が緊急の取り組みを行っている。州の強固な検査や接触者の追跡、パンデミックで強化されたコミュニティー連携を利用して、最もリスクの高い人々にワクチンや治療、支援活動を確実に提供する。われわれは連邦政府と協力して、より多くのワクチンを確保し、リスクの軽減への意識を高め、汚名と闘うLGBTQコミュニティーを支持し続ける」とのコメントを出した。

同州政府によると、州は合計で61,000回を超えるサル痘ワクチンを受け取っており、感染者数や感染リスクの人数の推定などを考慮して、地域の公衆衛生局に配分する。また、州は728日時点で検査を1週当たり1,000回以上に拡大しており、地域の公衆衛生局や教育機関、民間の研究所と協力して、検査能力をますます高め、治療のオプションも拡大する。サル痘治療に使われる抗ウイルス処方薬のテコビリマット(TPOXX)へのアクセスは限られていたが、現在は州内30以上の施設などで投与可能となっている。

(注)サル痘ワクチン「JYNNEOS」は少なくとも4週間の間隔を空けて上腕に2回接種する。州の公衆衛生局はできるだけ多くの人に届けるため、1回目の接種を優先している。

(石橋裕貴)

(米国)

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