サル痘累計患者数937人に、保健省はワクチン購入交渉を開始

(ペルー)

リマ発

2022年08月22日

ペルー保健省(MINSA)傘下の国立疫病対策センター(CDC-Perú)は818日、同センターのウェブ上の情報管理室(SALA SITUACIONAL DE LA VIRUELA DEL MONO)に登録されている国内のサル痘の累計感染者数が937人に上っていると発表した。うち410人は既に隔離期間を終了している。男女別では、930人が男性、7人が女性、患者の平均年齢は32歳となっている。隔離場所については、919人が自宅隔離、残りの18人が医療機関に入院している。

地域別では、首都リマを含むリマ州が784人と最も多く、次いで、隣接するカジャオ特別憲法県(60人)、北部ラ・リベルタッド州(42人)、南部アレキパ州(18人)、南東部クスコ州(6人)、北部ピウラ州(5人)、南部イカ州(4人)、北東部ロレート州(3人)、北部ランバジェーケ州(3人)、アンカッシュ州(3人)、中東部ウカヤリ州(2人)、フニン州(2人)、北東部ウアヌコ州(2人)、カハマルカ州(2人)、南部タクナ州(1人)と全国15州・県に感染が広がっている。

感染者の健康状態については、全体の63.6%(596人)がヒト免疫不全ウイルス(HIV)患者(注)で、うち82.6%(492人)が抗レトロウイルス薬などの薬物治療を受けている。また、全体の18.5%(173人)が梅毒などの性感染症の病歴があるとされている。さらに、症状別では97.2%が「発疹」、66.2%が「発熱」、66.0%が「肛門発疹」、50.4%「頭痛」、44.6%「リンパ節腫脹(しゅちょう)」、27.9%「倦怠(けんたい)感」、62.9%「その他症状」を訴えている。平均発症期間は6日と報告されている。

ペルーのサル痘累計感染者数は世界9位、南米ではブラジルに次いで多い国となっている。ホルヘ・ロペス保健相は「汎(はん)米保健機構(PAHO)が既に中南米向けに10万回分のサル痘ワクチンの購入を済ませており、ペルーはその内9,000回分の配分を同機構と交渉している」と述べている。

(注)HIV患者でない感染者は134人(14.3%)確認されているが、207人(22.1%)はHIV未確認となっている。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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