ブラジルでESGに責任を持つ企業100社のランキングを発表

(ブラジル、日本)

サンパウロ発

2022年07月12日

中南米に所在する企業の評判などをモニタリングする調査会社メルコは6月29日、ブラジルに所在する企業による「第8回ブラジル版 ESG(環境・社会・ガバナンス)に責任を持つ企業100社のランキング」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した(注1)。

1位は化粧品大手ナトゥラ、2位は化粧品大手ボチカリオグループ、3位は飲料大手アンベブだった。日系企業ではトヨタ(11位)とホンダ(40位)の2社がランクインした。

6月29日付現地紙「バロール」によれば、メルコのリリアン・ブランダオ最高経営責任者(CEO)は、同ランキングを構成する企業の特徴として、100社のうち約半分は現地市場やコミュニティ、利害関係者と密接に関わる内資系企業で構成されていると説明した。また、ウルトラファルマ、ハイア・ドロガシル、グルーポ・DSPS、ドロガリア・サンパウロ、ドロガリア・パシェコなどの薬局が複数ランクインしたことを特筆した。ウルトラファルマのマリオ・セサール商業部長は、医薬品の小売りは、国内全土で医薬品のみならず化粧品や健康食品、機能性食品などの幅広い商品を販売している点でブラジル人の生活に密着していると説明した。その上で、とりわけESGのS(社会)に注力しており、例えば新型コロナが感染拡大した際には、サッカーのブラジル代表監督を歴任したドゥンガ氏(注2)が南部リオグランデ・ド・スル州都ポルトアレグレで貧困層への支援を行うプロジェクト「セレソン・ド・ベン」に参加した事例を挙げた。

また、ブランダオCEOは、アグリビジネス関連企業は上位100社中2社となっているものの、200位までのデータでみた場合には12社になり、ESGの注目セクターだと説明した。

(注1)調査の概要は以下のとおり。

  • 調査実施時期:2021年7月~2022年4月。
  • 調査回答数:2,311人・社。内訳は、経営者(4,000万ドル以上の売上高がある企業)374人、経済ジャーナリストや非政府組織代表者、労働組合関係者などで構成される393人、一般人で構成される1,500人、ランクインした企業のうちアンケート調査に回答した44社。

(注2)ドゥンガは愛称。氏名はカルロス・カエターノ・ブレドルン・ヴェーリ氏。1995年から1998年までジュビロ磐田でもプレーした。

(古木勇生)

(ブラジル、日本)

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