連邦政府、リチウムの輸出入に係る規制を緩和

(ブラジル)

サンパウロ発

2022年07月15日

ブラジル連邦政府は76日、75日付政令第11,120号を公布し、リチウムの輸出入手続きを簡易化した。政令は即日施行した。これまでは、リチウムの輸出入に際し、科学技術革新省(MCTI)傘下の国家原子力審議会(CNEN)の許可が必要とされていたが、今回の政令によりその条件がなくなった。

76日付大統領府の公式サイトによれば、目的はリチウム関連ビジネスを自由化するとともに、ブラジルでの生産量や同国への投資を増加させるため。リチウムは電気製品や電気自動車のバッテリーなどに使用され、近年、世界的に需要が高まっている。また、鉱山エネルギー省は76日付公式サイトで、「リチウムはブラジルにとって戦略的な鉱物で、クリーンエネルギーへの転換や電気自動車生産のための投資誘致にも欠かせないものだ」と述べている。

カナダに本社を置く、シグマ・リチウムのアナ・カブラル・ガードナー最高経営責任者(CEO)は、77日付「ロイター」へのインタビューで「従来の規制では、リチウムはあたかも原子力のために使われるものとして扱われていた。それは時代遅れだ。手続きは大変複雑だったため、リチウムは魅力的なものではなかった」と説明し、政令による手続きの簡易化を評価した(注)。2022310日付シグマ・リチウムの公式サイトによれば、同社は2022年内に、リチウムの最大の埋蔵量があるとされるミナス・ジェライス州バーレ・ド・ジェキチニョーニャ地域でリチウム生産を開始する見込み。2024年までに12億レアル(約300億円、1レアル=約25円)の投資を予定している。

また、鉱山エネルギー省の76日付公式サイトによると、同地域には、2030年までに150億レアル超の投資が見込まれている。

(注)ロイターの記事は77日付現地紙「イスト・エー」に掲載。

(エルナニ・オダ)

(ブラジル)

ビジネス短信 ea7392b9c0af0fbe