2022年の経済成長率の予測値を6.5~7.5%へ引き下げ

(フィリピン)

マニラ発

2022年07月22日

フィリピン開発予算調整委員会(DBCC)は78日、2022年の経済成長率の予測値の範囲をこれまでの78%から6.57.5%へ引き下げた。ベンジャミン・ディオクノ財務相は「控えめに見積もった数字」とコメントした(政府通信社76日付)。「フィリピンの経済成長率は、2022年と2023年にASEANや中国、日本、韓国の中で最も高い値となると推測されるのが衆目の一致するところだ」と付け加えた。

他方、2023年から2028年の経済成長率の予測値範囲についてDBCCは、従来の67%から、6.58.0%に引き上げた。

物価上昇率の予測値範囲を上方修正

DBCCは併せて、2022年の物価上昇率(年率)の予測値の範囲をこれまでの3.74.7%から4.55.5%へ引き上げた。その理由として、DBCCはロシアによるウクライナ侵攻やサプライチェーンの混乱を受けて、燃料費や食品価格が高騰していることを挙げた。また、2023年の物価上昇率の予測値を2.54.5%、2024年から2028年にかけては24%とした。

その他の主要なマクロ経済指標の予測は以下のとおり。

  • ドバイ原油価格:2022年は1バレル90110ドル、2023年は80100ドル、2024年から2028年は7090ドル。
  • 対ドル為替レート:2022年は1ドル5153ペソ、2023年は5155ペソ、2024年から2028年は5155ペソ。2023年から2028年のレートの想定について、DBCCは、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締めや、ロシアによるウクライナ侵攻によるマーケットのリスク回避、国際的な原油価格の高騰などに起因した国際経済の不確実性の高まりを背景として説明している。
  • 輸出の伸び率:2022年は7%、2023年は6%、2024年から2028年にかけて6%。
  • 輸入の伸び率:2022年は18%、2023年は6%、2024年から2028年にかけて8%。

(吉田暁彦、サントス・ガブリエル)

(フィリピン)

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