英BII、アフリカの再エネ強化に向け、水力発電プロジェクトに出資

(英国、ノルウェー、アフリカ)

ロンドン発

2022年07月04日

英国のボリス・ジョンソン首相は6月23日、ルワンダのキガリで開催された英連邦ビジネスフォーラムで、アフリカにおけるクリーンエネルギーへの移行を加速させる官民パートナーシップ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを歓迎した。

まず、英国の開発金融機関ブリティッシュ・インターナショナル・インベストメント(BII)が、ノルウェー開発途上国投資基金(Norfund)とノルウェーの再生可能エネルギー電力会社スキャテック(Scatec ASA)との合弁事業に参加する。アフリカ大陸での再生可能エネルギーの強化に向け、アフリカ全域での水力発電プロジェクトに対し、BIIが今後数年間で最大2億ドル(スピーチ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは1億6,000万ポンド)を出資することを、ジョンソン首相は約束した。

今回の出資により、両者が株式を有する発電事業者グローブレック(Globeleq)や南アフリカ共和国所有の再生可能エネルギー投資・開発企業のH1キャピタルを通じた投資など、既存の取り組みやパートナーシップを拡大するとしている(BIIの6月23日付発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

また、同発表によれば、NorfundとBIIは、スキャテックがアフリカで有する開発中・稼働中の水力発電所の49%の権益を保有している。これには、ルワンダの205メガワット(MW)規模の水力発電所、マダガスカルの120MW規模の水力発電所、マラウイの350MW規模の水力発電所などが含まれる。

BIIによれば、合弁事業を通じ18万人の雇用創出、年間27万トン以上の温室効果ガス(GHG)排出量の削減、300万人以上の需要に相当するクリーンな電力供給が見込まれるとした。

ジョンソン首相はそのほか、BIIの子会社であるグリッドワークス(Gridworks)もウガンダ政府との間で協力協定に署名済みで、再生可能エネルギー容量拡大に向け、同国の発電所の刷新に最大9,000万ドルを投じるとした。

さらに、英国政府は、小島しょ開発途上国の海洋経済の持続可能な成長の推進に向けて3,600万ポンドを拠出するとした。海洋環境を保護しつつ、海洋資源を持続的に活用するため、各国政府に対し英国が有する科学的な専門知識と資源を提供するという。

ジョンソン首相は、アフリカ大陸の豊富な天然資源が人々や企業に安価で安定したエネルギー源の供給に資するとして、期待を示した。

(オステンドルフ・七海・ありさ)

(英国、ノルウェー、アフリカ)

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