2021年の北朝鮮の貿易額は前年比17.3%減

(韓国、北朝鮮)

ソウル発

2022年07月26日

韓国の大韓貿易投資振興公社(KOTRA)は715日、北朝鮮の2021年通年の貿易額を前年比17.3%減の71,333万ドル(輸出8,196万ドル、輸入63,137万ドル)とする推計結果を発表した(添付資料表1参照)。輸出額は国連による経済制裁に加え、新型コロナウイルス感染拡大防止のための中朝国境封鎖の影響で、輸出入ともに前年に引き続き減少したが、貿易収支の赤字額(54,941万ドル)はやや改善した。

国・地域別でみると、最大の貿易相手である中国との貿易額は前年比10.4%減の68,166万ドル(輸出5,811万ドル、輸入62,355万ドル)だった(添付資料表2参照)。貿易総額に占めるシェアは95.6%と前年(88.2%)を上回り、従来、最も高かった2018年(95.8%)に並ぶ水準となった。その他の貿易相手としては、ベトナム、インド、タイ、香港、バングラデシュの順で多かった。そのほか、エチオピアやモザンビーク、ナイジェリアなどのアフリカ諸国が上位に入ったが、いずれも貿易総額に占めるシェアは1%未満だった。なお、日本については、日本政府の独自制裁により2009年以降、北朝鮮との貿易実績はない。

輸出を品目別にみると、最大の輸出品目である鉄鋼および金属製品が前年比77.9%増の3,200万ドルを記録し、鉱物性燃料・鉱物油も33.9%増と好調だったが、機械・電気機器(36.6%減)と時計および部分品(47%減)は急減した(添付資料表3参照)。

最大の輸入品目は中国から輸入される原油・石油精製品などが含まれている鉱物性燃料(前年比55.2%増、37,000万ドル)で、輸入総額の58.7%を占めた。その他、化学工業製品やプラスチック・ゴムの輸入が増加した一方、植物性製品、油脂および調整食品、繊維製品など生活必需品の輸入が急減した。

KOTRA関係者は「北朝鮮側の国境封鎖によって貿易額減少が続いているが、2022年は中国との貨物列車の運行再開によって1月から4月までの中国貿易額は前年同期の約6倍に増えた。4月末から中断された国境貿易の再開可否が注目される」と分析した。

〔李丙鎬(イ・ビョンホ)〕

(韓国、北朝鮮)

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