上半期の貿易は輸出入とも前年同期比約2割増

(台湾)

中国北アジア課

2022年07月12日

台湾財政部が78日に発表した貿易統計(速報)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、2022年上半期(16月)の輸出は前年同期比19.2%増の2,4668,226万ドルだった(添付資料表12参照)。輸入は24.8%増の2,1897,383万ドルで、上半期の貿易収支は277843万ドルの黒字となった。

国・地域別にみると、輸出では、最大の輸出先である中国は4.5%増と、伸び率が小幅にとどまった。香港は19.8%増だった。中国向けでは、電子部品の輸出が20.8%増と好調だった一方で、情報通信機器(14.0%減)や光学器材(22.9%減)が減少した。米国向けは29.5%増を記録した。情報通信機器(30.6%増)や卑金属および同製品(38.5%増)、輸送機器(58.1%増)、電気機器(44.5%増)などが好調だった。このほか、香港、ASEAN、欧州、日本なども軒並み約20%増となった。

輸入では、ASEANからが25.3%増だったほか、中東が、原油をはじめとした鉱山品の輸入増を受け、68.4%増となった。

輸出を商品別にみると、電子部品(28.3%増)が増加を牽引した。また、鉱産品(91.8%増)が大幅に増加した。情報通信機器(11.8%増)や卑金属および同製品(24.8%増)なども増加した。

輸入では、鉱産品が67.0%増となった。鉱産品は、輸出入ともに貿易額が大幅に増加しており、原材料価格高騰の影響等を受けているとみられる。

今後の見通しについて財政部は、各国・地域の新型コロナウイルスに対する防疫措置が継続的に緩和され、グローバルな経済・貿易における往来が容易になることや、高性能演算やIoT(モノのインターネット)、車載電子など新興アプリケーションなどの市場見通しが明るいこと、対外貿易のピークシーズンを迎えることなどを踏まえ、下半期も台湾の輸出の勢いは持続すると分析している。他方、ロシアのウクライナへの軍事侵攻やインフレ圧力の高まり、新型コロナウイルス感染の再拡大、サプライチェーンのボトルネックなどの下押し要因を注視する必要があると指摘した。

(柏瀬あすか)

(台湾)

ビジネス短信 d3f2e726219ebcc4