江蘇省無錫市で感染拡大が収束しつつあるも、正常化にはあと一歩

(中国)

上海発

2022年07月20日

中国江蘇省では628日以降再び、新型コロナウイルスの感染者が連日確認されている。628日から714日までに報告された感染者は52例、無症状感染者は671例だった。中でも、無錫市の感染者、無症状感染者はそれぞれ28例、409例と江蘇省内で最も多くなった。

無錫市の感染者は78日の6例、無症状感染者は79日の45例をピークに減少に転じたが、714日午前0時時点で、無錫市内の22カ所が高リスク地域に、50カ所が中リスク地域に指定された。中リスク地域の中には、小区(住宅エリア)やホテルだけでなく、国泰精密机件無錫、無錫威孚高科技集团といった自動車部品メーカーの工場なども含まれる。上海華虹宏力半導体製造の倪立華執行副総裁は、今回の感染拡大に対処するため、無錫市にある華虹半導体で74日から、市政府の指導の下で連続生産をスタートさせ、2,000人の従業員全員が閉鎖型生産に従事していると述べた(712日「澎湃」)。

一方、無錫市政府は715日、市内では6日連続で社会面での新規感染者ゼロを達成した状況を踏まえ、錫山区、恵山区、浜湖区、経済開発区の飲食店の店内飲食を再開すると発表した。

無錫市の日系企業によると、日本人の多い新呉区などでは、会社が入るビルが封鎖中のため、在宅勤務で対応している。新呉区および一部の中高リスク地域を除き、車両運行は正常化してきたが、車両手配の際には24時間以内のPCR検査陰性証明が必要という。経済活動は正常化に向かいつつも、まだ完全な正常化までには至っていない状況がうかがわれる。

(高橋大輔)

(中国)

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