2022年上半期の外国企業の投資、新規が伸び悩む

(ベトナム)

ハノイ発

2022年07月05日

ベトナム外国投資庁によると、2022年上半期(1~6月)の対内直接投資(認可ベース、6月20日時点の速報値、出資・株式取得を除く)は、新規・拡張の合計で1,239件(前年同期比2.0%減)、認可額は117億6,014万ドル(13.9%減)だった(添付資料表1参照)。

新規投資は752件(6.5%減)、49億4,294万ドル(48.2%減)と、件数・金額ともに前年同期を下回った。新型コロナウイルス対策の入国制限の緩和を受け、国外からベトナムへの訪問者数は増加しているが、新規投資は伸び悩んでいる状況だ。一方、既存の投資案件の増資などに当たる拡張投資は487件(5.9%増)、68億1,720万ドル(65.6%増)と好調だった。特に製造業で大型の拡張投資が続いたため、認可額は拡張が新規を上回った。

業種別にみると、認可額は製造が83億5,202万ドルで首位。次いで、不動産が20億151万ドルだった。この上位2業種で総認可額の9割近くを占める。件数は製造が498件で首位。それに、小売り・卸売り290件、コンサルなど163件が続いた。

国・地域別にみると、認可額はシンガポール、韓国が上位を占めた(添付資料表2参照)。これにデンマーク、中国、日本が続く。デンマークはレゴによる南部ビンズオン省の玩具工場の新規投資(約13億2,000万ドル)が認可額を引き上げた。日本は1億ドルを超える大型案件が見られず、前年同期を大きく下回った。件数は韓国を筆頭に、中国、日本、シンガポールが続いた。

ウクライナ危機の影響について、ベトナム外国投資庁は6月27日付の報告で、投資への直接的な影響は小さいとした。ロシアとウクライナからの投資は累計認可額の0.2%程度にすぎないためだ。一方、ウクライナ危機は原材料価格の高騰などを引き起こし、サプライチェーンに影響が出ていると指摘した。また、ロシアなどからアジア諸国に投資が移行する可能性についても言及した。

出資・株式取得は、件数が前年同期比8.0%減の1,707件、金額が41.1%増の22億7,024万ドルとなった。件数は韓国が626件で首位だった。

直接投資の実行額(推計)は、前年同期比8.9%増の100億6,000万ドルだった。

(庄浩充)

(ベトナム)

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