サル痘感染者数1,837人、1週間で300人増加、ワクチン接種を加速

(フランス)

パリ発

2022年07月29日

フランス公衆衛生局の727日付発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、フランス国内のサル痘感染者数は前日の26日時点で1,837人となり、前回22日付発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます21日時点)の1,567人から約1週間で約300人増加した。パリ首都圏のイル・ド・フランス地域圏が781人で、居住地が判明している感染者の55%を占め、これにオクシタニー地域圏(151人)、オーベルニュ・ローヌ・アルプ地域圏(150人)が続いた。

フランソワ・ブローン保健・予防相は同日、公営ニュース専門局フランスアンフォ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに出演し、サル痘の感染拡大について「フランスは世界でも早期に予防ワクチンを承認した国の1つだ。パニックになる必要はない」と述べる一方、ワクチン接種の予約がすぐには取れないことを認め、対応人員の増強に向けてワクチン接種に係る人材を医学生などに広げる726日付アレテ(省令)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発布したと説明した。

ブローン保健・予防相によると、727日時点で国内118カ所でサル痘のワクチン接種が行われており、26日には感染者が多いパリ市にサル痘に特化した接種センターが開設した。ブローン氏は、既に42,000回分のワクチンを放出し、約7,000人がワクチンを接種したことを明らかにした。同氏はワクチン備蓄は十分にあるとしたが、「サル痘は紛争時に生物兵器として使われることがある」とも述べ、防衛機密になることから、具体的な数字についての言及を避けた。

フランスでは、519日に初めて感染者が確認外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますされてから徐々に増大し、617日からサル痘に関わる広報キャンペーンを開始した。フランス高等保健機構は77日、サル痘の感染リスクが高いグループ向けにワクチン接種を推奨する告示外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを行った。これを受けて11日以降、サル痘感染者と接触した人に加えて、男性間性交渉者(MSM)、複数の相手と性交渉があるトランスジェンダー、性的職業従事者もワクチン接種の予約が可能となった。

なお、フランス公衆衛生局の発表によると、感染者は成人女性12人、子供2人を除いて全て成人男性で、年齢別にみると30歳未満が25%を占める。このうち40人がサル痘感染を理由に入院し、うち33人が合併症を引き起こしたが、死亡者は出ていない。

(山崎あき)

(フランス)

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