米カリフォルニア州公益事業委員会、クルーズの無人自動運転配車サービスを調査

(米国)

サンフランシスコ発

2022年07月21日

米国カリフォルニア州公益事業委員会(CPUC)が自動運転技術開発のクルーズ(本社:カリフォルニア州サンフランシスコ)の自動運転車(AV)配車サービスの安全性などを調査していると、71415日に複数のメディアが報じた。クルーズは6月にCPUCから無人AVの公道利用許可を取得し、サンフランシスコで同サービスの商業展開を開始したばかりだった(2022年6月7日記事参照)。

同調査の発端となったのは、CPUC5月半ばに受け取ったクルーズの従業員という匿名の人物からの書簡。この書簡には、クルーズの無人AVは交差点で止まり、車線をふさいで他の車の妨げになることがあるなど、同社従業員の間で商業展開の準備に対する懸念があったと記されている。CPUCAVの公道利用許可を与えた企業に対し、危険行為が明白になった場合、いつでも許可の停止あるいは取り消しを行う権限を有している。クルーズは同書簡に記された懸念事項に関して「弊社の安全性に関する記録は、複数の政府機関によって追跡、報告、公開されている」と回答している(「ウォールストリート・ジャーナル」紙電子版714日)。

複数のクルーズの無人AV6月下旬、深夜の交差点で数時間停止したままになり、同社従業員が現場へ行って運転して動かしたことを現地メディアなどが報じた。また、同じく6月に起きたクルーズAVと他の車両が衝突して乗員が軽傷を負った事故については、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)が特別な捜査を開始している(ロイター77日)。

(田中三保子)

(米国)

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