ロシアでサル痘感染者を初確認

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2022年07月13日

連邦消費者保護・福利監督局(ロスポトレブナドゾル)は712日、ロシアで1例目となるサル痘ウイルス感染症例をサンクトペテルブルクで確認したと発表した。感染症例はポルトガル旅行から帰国した若者で、発疹が出たことから医療機関で検査を受けたところ感染が判明した。患者は現在、感染症専門病院に隔離されているが、症状は軽度とされている。ロシア帰国後の接触者は監視下に入っており、患者が訪れた場所の消毒が既に実施されている(ノーボスチ通信712日)。

国内初の感染症例が出たことを受け、保健省は712日、各連邦構成体に対してサル痘の予防、診断、治療にかかるガイドラインを発信した。同省では、5月から全国で医療従事者向けの研修を実施してきたという(タス通信712日)。ロスポトレブナドゾルは、63日付で「サル痘の発生ならびに拡散の予防措置」を公表していた。この中で、患者と接触歴がある場合には、病院または自宅での21日間の隔離ならびに経過観察を推奨している。隔離期間中にサル痘を発症した場合には、感染症専門病院への入院と検体採取を行うとされている。

今後の行動制限などの導入については現時点で不明。下院(国家院)保護委員会副委員長で、免疫学者でもあるセルゲイ・レオノフ氏は、メディアとのインタビューで「サル痘に起因する行動制限を発動する必要はない。もし発生した場合にはウイルスの伝播(でんぱ)を食い止めるだけの話だ」と語っていた(ノーボスチ通信72日)。ロスポトレブナドゾルは712日の発表の中で、「過去に行われていた天然痘の集団ワクチン接種のおかげで、ロシアにはサル痘のまん延を食い止めるために必要な免疫がある」とコメントしている。

【欧州ロシアCIS課】

(ロシア)

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