サンティアゴのロープウエー計画、2023年上半期に着工

(チリ)

サンティアゴ発

2022年07月28日

チリ公共事業省は726日、首都サンティアゴのウエチュラバ区とプロビデンシア区をつなぐロープウエー敷設計画について発表した。同計画では、首都内最大規模のオフィス街であるシウダ・エンプレサリアル、観光名所としても知られるサン・クリストバルの丘、チリ最大級のショッピングモールであるコスタネラセンターの近辺の計3カ所に駅を設置するもの。3つの駅を移動するための所要時間は13分で、交通渋滞の緩和や、環境汚染の削減にも資する新たな移動手段として注目されている。公共事業省の発表によれば、プロジェクトの着工は2023年上半期、建設期間は26カ月、運行開始は2025年ごろを予定しており、投資額は約8,000万ドルが見込まれている。

ゴンドラは全146台で、1台当たり10人が乗車でき、最大で1時間に6,000人の輸送が可能だ。運行時間は月曜から金曜までが午前6時から午後10時まで、土曜が午前7時から午後9時まで、日曜が午前8時から午後9時までを予定している。フアン・カルロス・ガルシア公共事業相は、乗車料金については言及しなかったものの、ロープウエーをバスや地下鉄などのサンティアゴの公共交通機関と同じシステムに統合し、ICカード「タルヘタ・ビップ(Tarjeta Bip!)」を利用しての乗車についても検討中だ、と発言した。これが実現された場合、ロープウエーから地下鉄やバスへの乗り換えが可能となり、利用者の利便性向上が期待される。

加えて同相は、チリ北部タラパカ州のイキケとアルト・オスピシオをつなぐロープウエー計画について2022年末ごろに入札を行うと発表しており、持続可能で安全なモビリティの確立が政府の最優先事項の1つである旨を強調した。

(岡戸美澪)

(チリ)

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