三井物産、モロッコの大手養鶏企業に追加投資
(モロッコ)
ラバト発
2022年07月13日
三井物産は6月1日、モロッコを代表する養鶏業のインテグレーション事業者であるザラール・ホールディング(本社カサブランカ、以下ザラール)に対して追加出資を行った。地元メディアは投資額を4,100万ドルと報じている。ザラールは、1974年に創業、以来事業拡大を続け、穀物輸入から飼料製造、養鶏、食肉の処理・加工までを一貫して手掛けている。鶏肉加工品はダンディ(Dindy)ブランドでハムやソーセージなど様々な形態で、主にモロッコ国内向けに販売されている。同社は2015年以降、西アフリカでの鶏肉需要拡大を見込みセネガルに進出。現在は西アフリカ諸国への輸出も行っている。
三井物産は2018年に資本参加して以降も同社株を追加取得しており、今回で3回目となる(2018年7月2日記事参照)。三井物産はこれまでにザラールの社員を日本に招き、グループ会社が持つ飼料配合や飼育環境、飼育方法など日本式の養鶏ノウハウを伝授、成績改善に取り組んできた。また、鶏肉加工品の拡充にも力を入れており、将来的には当該加工品の欧州や中東向け輸出展開を目指す。
モロッコ政府は、農業資源を活用した食品加工ビジネスの促進に積極的で、現在はコカ・コーラやペプシコ、ユニリーバ、ネスレ、ダノンなど世界的な食品・飲料メーカーが生産拠点を構えている。モロッコのGDPの12%を農林水産業が占め、2020年の生鮮野菜や水産物を含む食品類の輸出総額は565億ディルハム(約7,345億円、1ディルハム=約13円)。主にトマトやかんきつ類、冷凍野菜や果物、魚介類、缶詰などの加工品を輸出している。日本からの食品加工分野への投資拡大に、期待が寄せられる。
(本田雅英)
(モロッコ)
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