サル痘感染者は増加、感染時は自己隔離を推奨

(英国)

ロンドン発

2022年07月29日

英国保健安全保障庁(UKHSA)は7月26日、英国でのサル痘の感染拡大に関する報告を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。英国では56日に初の感染者を確認して以降、725日までに2,367人の感染が確認されている。その約7割はロンドンで、ゲイ・バイセクシャル・男性間性交渉者(GBMSM)が主な感染者とされている。検査能力の拡大のため、一部の国営医療サービス(NHS)のラボでは、サル痘ウイルスが分類されるオルソポックスウイルスのPCR検査も行われている。

感染が確認された場合や医師から勧められた場合には、自己隔離を行うことが推奨されている(英国政府ガイダンス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。同居人との接触も避けるとしており、寝室を分けたり、別々のタオルを使ったりするなどの対応が推奨される。同室にいる場合は1メートルの距離を空け、医療用マスクを着用することなどを勧めている。外出は緊急の診療などに限定し、外出する場合は発疹が完全に隠れるような服を着るほか、医療用マスク着用を勧めている。

ワクチンについては、天然痘用「インバネクス」の接種が行われている外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。供給が限られることを踏まえ、サル痘感染者と接する医療従事者や濃厚接触者、医師にリスクが高いと判断されたGBMSMに対して1回目の接種が優先して行われている。対象者にはNHSから連絡が届く仕組みとなっている。

UKHSAディレクターのソフィア・マッキ氏はサル痘感染者の増加を踏まえ、発疹や水疱(すいほう)などを含むサル痘の症状がみられる場合は、イベント参加や性交渉を控え、NHSの電話・オンライン診療サービス(111)を利用するなどして、医師などの診断を受けるよう呼びかけた。

(山田恭之)

(英国)

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