ボアオ・アジアフォーラム、イノベーション・知的財産権保護会議を初開催

(中国、香港)

香港発

2022年07月22日

ボアオ・アジアフォーラムは71213日、第1回イノベーション・知的財産権保護会議を中国・広東省広州市で開催した。リアルとオンラインを合わせたハイブリッド形式で行われ、中国内外の有識者や国際組織、政府、企業関係者ら約200人が参加した。

メインフォーラムは「グローバルな科学技術およびイノベーションと知的財産権制度の建設」と題して13日に開催された。世界知的所有権機関(WIPO)の王彬穎事務局次長は同フォーラムに寄せたメッセージで「イノベーションと知的財産権は(新型コロナウイルスの)パンデミックからの復興に際し、より重要な役割を果たしている」と指摘した。また、ボアオ・アジアフォーラムの李保東秘書長は「中国は世界のイノベーションのリーダーとしての地位を確立し、世界の知的財産権の発展で主要な推進力となった」と言及した。

メインフォーラムの開催に先立ち、主要国のイノベーション政策や人工知能(AI)・デジタル、環境・低炭素、医薬・バイオ、新材料などの技術動向に焦点を当てた「ボアオ・アジアフォーラム イノベーションレポート2021」が発表された。同レポートでは「イノベーションでアジアの地位が急速に高まっており、世界のイノベーションをめぐる局面に変化をもたらした」などと指摘している。

サブフォーラムでは「デジタルエコノミーにおけるグローバルな知的財産権の動向」「中国知的財産院長(注1)論壇~グローバル知的財産権ガバナンスにおける中国の発言権体系構築」「広東・香港・マカオグレーターベイエリア(粤港澳大湾区)のグリーン発展と知的財産権イノベーション」の3つのテーマが設定された。

デジタルエコノミーに関するサブフォーラムでは、ジェトロ香港事務所の松本要・知的財産部長が登壇。オープンイノベーション、データ、標準と知財に関する日本の動向を紹介するとともに、デジタルエコノミーのグローバルな発展に向けて知的財産権の尊重を基礎的な理念とし、国家対国家の「話語権」(注2)争いに陥らないための国際協調や、政策・司法の透明性とバランスの必要性について指摘した。このほか、阎暁宏・中国版権協会理事長、呂庭彦・中国専利保護協会会長、米半導体大手クアルコムの錢堃グローバル・シニアバイスプレジデントらから、デジタルエコノミーに対する中国の知財政策や第5世代移動通信システム(5G)時代の知財保護や研究開発について紹介があった。

(注1)中国の各大学に設置された知財系研究院の院長のことを指す。

(注2)話し手の言説に含まれる論理、価値観が生み出す影響力、発言の内容を相手に受け入れさせる力。ディスコースパワーとも言う。

(松本要)

(中国、香港)

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