2022年6月のCPIは前年同月比78.62%の上昇

(トルコ)

イスタンブール発

2022年07月12日

トルコ統計機構(TUIK)の発表(74日)によると、20226月の消費者物価指数(CPI外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)上昇率は、5月の前年同月比73.50%から78.62%にさらに上昇し、過去約20年間で最も高い水準に達した。同様に、国内生産者物価指数(D-PPI外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)上昇率も138.31%と、前月の132.16%から上昇しており、コストプッシュ圧力は衰えていない。

6月のCPI上昇率は、運輸(前年同月比123.37%)、食品・飲料(93.93%)、住宅・光熱費(75.09%)が牽引した。主要商品項目のうち、食品では加工食品(96.04%)の上昇が著しく、前月比では3.35%のマイナスとなった未加工食品(91.65%)の季節要因を相殺した。また、エネルギーが151.33%と著しい上昇をみせたほか、耐久消費財(77.90%)の上昇も目立った。サービス部門では、輸送(81.83%)、ホテル・レストラン(79.55%)の上昇が顕著で、サービス部門全体では48.69%の上昇となった。

D-PPI上昇率は、通貨リラの下落に加え、エネルギーなどの国際商品価格上昇の影響が続いている。項目別では、エネルギー(317.87%)や中間財(126.06%)など、輸入価格の影響が大きい部門での上昇が目立っている。

ヌーレッディン・ネバーティ国庫・財務相は、202271日の最低賃金引き上げ発表(202277日記事参照)後、「インフレは制御されており、12月以降に下がり始めるようになる」と主張した(202271国営アナドル通信外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。その要因として、トルコ政府が年初来、2,413億リラ(約19,304億円、1リラ=約8円)規模の減税を行うなどの各種のインフレ対策を行ったことを挙げている(202275日付国営アナドル通信外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

なお、TUIKの発表と同時に発表された、独立調査機関ENAグループの調査結果によると、6月のCPIは前年同月比175.55%の上昇とされ、政府発表と大きく乖離している。

(中島敏博)

(トルコ)

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