英国が輸出拡大に向け、貿易障壁撤廃に関する計画発表

(英国、日本、南アフリカ共和国、韓国、中国、モンゴル)

ロンドン発

2022年07月08日

英国のアン・マリー・トレビリアン国際通商相は630日、英国商工会議所での演説で、輸出市場の貿易障壁撤廃に関する計画を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。優先的に撤廃する貿易障壁として約100項目を設定。項目リストは公開されていないが、日本での英国弁護士の活動制限や、医療機器の南アフリカ共和国への輸出規制、アジア諸国への食肉輸出の制限などが例として挙げられた。政府は貿易障壁撤廃の効果として、南アにおける新薬や医療機器の登録遅延の解消のほか、韓国向けの牛肉輸出と、中国向けの羊肉輸出を可能にすることで、それぞれ年間最大15億ポンド(約2,430億円、1ポンド=約162円)と、25億ポンド規模の市場開拓につながるとした。

トレビリアン国際通商相は撤廃済みのこうした貿易障壁の例として、中国向けの化粧品輸出に関する制限を紹介した。一部化粧品については、中国輸出の際に動物実験を行うことが求められていたが、当局への働きかけを通じて最近これを撤廃。また、直近ではモンゴルへの魚、鶏肉の輸出についても前週に障壁を撤廃したことを紹介した。

英国政府は202111月、2030年までに輸出を1兆ポンドに増やすという目標を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしており、今回の演説でトレビリアン国際通商相は、英国輸出信用保証局(UKEF)も英国企業の輸出支援のほか、鉄道や洋上風力発電など持続可能なプロジェクトを世界各地で展開する支援を行っていると述べた。

また、トレビリアン氏は、貿易障壁の大規模な撤廃が実現することで英国企業の輸出を促進し、経済成長にもつながるとした。

(島村英莉)

(英国、日本、南アフリカ共和国、韓国、中国、モンゴル)

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