第2四半期のGDP成長率は前期比0.7%、輸出停滞も内需が下支え

(韓国)

中国北アジア課

2022年07月28日

韓国銀行(中央銀行)は726日、韓国の2022年第2四半期(46月)の実質GDP成長率(速報値)が前期比0.7%だったと発表した。2021年後半以降、経済成長を牽引してきた輸出が不調だった一方、新型コロナウイルスの感染者数減少に伴う防疫措置の全面解除によって、個人消費など内需が成長を下支えし、市場予測を上回る結果となった。なお、前年同期比の実質GDP成長率は2.9%だった。

2四半期の支出項目別の実質GDP成長率(前期比)は以下のとおり(添付資料表1参照、前年同期比の支出項目別実質GDP成長率は添付資料表2参照)。

  • 民間消費:準耐久財(衣類・靴など)とサービスが増加し3.0%増加。
  • 政府消費:社会保障現物給付を中心に1.1%増加。
  • 建設投資:建物建設を中心に0.6%増加。
  • 設備投資:輸送装置が減少し、1.0%減。
  • 貿易:輸出は化学製品、一次金属製品などを中心に3.1%減少、輸入は原油、天然ガスなどを中心に0.8%減少。

業種別にみると、農林漁業は栽培業を中心に6.4%減少、製造業は化学物質および化学製品、一次金属などを中心に1.1%減少、電気・ガス・水道事業は電気業で減少し0.5%減少した。一方、建設業は建物建設を中心に0.2%増加、サービス業は卸・小売業および宿泊飲食業、運輸業、文化およびその他のサービス業などが好調で1.8%増加した。

今後の韓国経済について、同行のファン・サンピル経済統計局長は、最近の高物価や新型コロナウイルス感染症再流行の兆しは、民間消費を中心に今後の下振れリスクとして作用するだろうと予測した。そのほか、「韓国経済は物価の上昇基調や主要国の成長鈍化などの影響を受けるとみられる」「輸出を取り巻く対外環境の不確実性も依然として高い」とし、景気悪化のリスクが高まっていると説明した。

年間の成長率については、第3四半期、第4四半期に前期比0.3%ずつ成長すれば5月の展望値である年間2.7%の成長達成が可能とした。

(向野文乃)

(韓国)

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